歯並びが悪くなる子供のクセ7選!どうしたら予防できる?

「子供のうちに歯並びが悪くなる悪習癖を改善しておくことで、将来きれいな歯並びになる土台作りができて、口腔内環境が良くなるメリットがあります。歯並びが悪くなる子供のクセ7選、その改善方法と予防策について小児歯科医が解説していきます。」

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「abc dental」の院長です。

いつもブログとInstagram(@abcdental11)を見ていただいてありがとうございます。

子供の歯並びが悪くなるのは、遺伝的な要因や骨格的な問題のほか、子供が日常的に無意識のうちに行っているクセや習慣も影響します。

子供のうちに歯並びが悪くなる悪習癖を改善しておくことで、将来きれいな歯並びになる土台作りができて、口腔内環境が良くなるメリットがあります。

そこで今回は、歯並びが悪くなる子供のクセ7選、その改善方法と予防策について小児歯科医が解説していきますので、ぜひ最後まで参考にしてみてくださいね。

▽先読み!この記事で分かること

・歯並びが悪くなる子供のクセは主に7つ

・子供のクセでよく起こる歯並びについて

・子供の悪習癖を改善する治療法をご紹介

ご質問:子供の歯並びが悪くなる日常の癖は何ですか?

ご質問をいただきました。

ご質問者様:6歳の娘さんのお母様

最近、娘の歯並びが私に似ていてガタガタになっているのが気になっています。上の前歯は前に出ていて出っ歯気味、下の前歯は斜めに生えていて、全体的にガタガタの歯並びです。

歯科医院に相談したところ、歯並びが悪くなった原因は遺伝だけでなく、5歳まで指しゃぶりをしている癖、そして口呼吸であることも関係があると言われました。

現在、将来のために小児矯正を検討していますが、家庭で日常の悪い習慣を改善できれば、取り組んでいきたいので教えていただけると助かります。よろしくおねがいします。

回答:舌癖、指しゃぶり、口呼吸、食事の仕方、頬杖をつく、爪噛みなどが挙げられます

質問に回答します。

子供の乳歯時期に歯並びの悪さが気になってくる親御様もいらっしゃることでしょう。

子供の歯並びが悪くなる原因は一つだけでなく、先天的な要因や後天的な要因(日常の習慣やクセ)など、複数の要因が絡み合って起こります。

子供の歯並びは、遺伝的な要因で骨格や顎の大きさ、歯の大きさや生え方が親子で似てくるため、最終的に歯並びが似てくるケースがあります。

その他にも、舌で歯を無意識に押し出すクセ、指しゃぶりの習慣が長い、口呼吸になっている、食べ物をよく噛まずに飲み込む、頬杖をつく、爪噛みといった習慣が挙げられます。

これらの習慣はゆっくりと子供の歯並びに悪影響を与えて、永久歯が生えて揃った頃に不正咬合(ふせいこうごう)という上下の噛み合わせ異常、歯並び悪化に繋がるので要注意です。

子供の顎骨は現在進行形で成長している真っ最中なので、顎骨や口周りの筋肉がまだ柔らかく、日常の悪習慣によって誤った方向へ成長し、歯並びと顔貌にも影響することがあります。

このような悪習癖があるお子様は無意識にやっていますので、強く叱りつけたり、何度も注意して治るわけではありません。

まずは、「お口の健康のために良くないですよ」と優しく説明してあげて、悪習癖であることを自覚させるようにしましょう。

歯科医院では歯並びに影響する子供のクセをトレーニングや矯正治療によって改善することができます。

歯並びが悪くなる子供のクセ7選

では、歯並び悪化に影響する子供の日常的なクセ7つをチェックしていきましょう。

①舌癖(舌で歯を触る、押し出す)

無意識に舌で歯を触る、舌で歯を押し出すクセのことを「舌癖(ぜつへき)」といいます。

安静時に上下の前歯の間に舌を押し出していたり、食べ物を飲み込む時に舌が前に出るクセ、舌を噛むクセなどもあると、ほんの小さな力でも徐々に歯が誤った方向へ動いていきます。

舌癖があると不正咬合になりやすいので、歯科医院で舌癖を改善するトレーニングによって口周りの筋肉の発達を正常に促して、矯正治療を受けると効果的です。

②指しゃぶり

指しゃぶりは心を落ち着かせるために生後2~3ヵ月頃からほとんどの赤ちゃんに見慣れる習慣です。

4歳以降まで指しゃぶりの習慣が続くと、指を口の中に入れて吸い続けるため、顎骨の成長が阻害されたり、歯に強い力が加わって、歯並びに影響するので要注意です。

③口呼吸

テレビを見ているときや安静時にお口がポカンと開いている時は「口呼吸」になっています。

通常、人は鼻から息を吸う「鼻呼吸」をしますが、「口呼吸」が習慣になると、舌の位置が下がって、口を閉じるための筋肉が発達不足になるので要注意。

無意識にお口がポカンと開いている場合は正常な舌の位置になるようにトレーニングをして鼻呼吸に改善するとよいでしょう。

④食べ物をよく噛まない

食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまうクセ、または片側の歯ばかりで食べ物を噛むクセがあると、顎の発達が遅れたり、顎の左右のバランスが乱れて、歯並びに悪影響を与えることがあります。

あまり柔らかいものばかり食べていると顎骨や歯がしっかりと発達しないため、日頃からしっかりと硬い食べ物を噛み、噛む回数を増やすことも意識するとよいです。

⑤爪を噛む

爪を噛むクセは指しゃぶりのクセと同じく、爪を噛んで前に引っ張るという口の動きによって歯がズレてしまい、歯並び悪化の原因となります。

子供によっては爪だけでなく、唇やシーツなどを噛むクセがある場合もあり、不安や精神的なストレスが影響している可能性もありますので、早めに改善することが大切です。

⑥歯ぎしり

生後8か月~10か月くらいに乳歯が生え始めて、幼児は歯の位置を決めたり、顎の成長のために歯ぎしりをします。人によっては中学生くらいまで成長のために歯ぎしりが続くことも。

ただし、歯が噛み合わさる力はかなり強く、あまり大きな音で歯ぎしりをする場合は、顎関節に強い負荷がかかることがあるので、歯科医に相談されることをおすすめします。

⑦頬杖をつく

子供が机に座ると頬杖をつくクセがある場合、どちらか片方の顎骨に大きな負荷がかかり、上下の顎骨のゆがみによる歯並び悪化や顔の変形に繋がるので注意が必要です。

最近は、マンガを読んだりスマホを寝転びながら頬杖をついて見ている子供も多く見られますので、普段から姿勢を正しておく習慣を付けることも大切です。

子供によくある不正咬合の種類

「不正咬合(ふせいこうごう)」とは歯並びが乱れて、上下の噛み合わせに異常がある状態を言います。歯磨きがしにくく、歯垢がたまりやすく虫歯や歯肉炎の原因になります。

ここからは、6歳頃から見られる乳歯時期における不正咬合の種類について見ていきましょう。

叢生(そうせい)

「叢生(そうせい)」は歯が重なり合って生えてきて、ねじれたり、歯並びがデコボコになる症状です。歯の大きさに対して、顎が小さいために起こることが多いです。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯

「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」は上の歯並び全体的に前に出ている状態、いわゆる「出っ歯」の状態のこと。遺伝的な要因、上下の顎の発育バランスが異なることで起こります。

下顎前突(かがくぜんとつ)・反対咬合・受け口

「下顎前突(かがくぜんとつ)」は下の歯並び全体が前に出ている状態のことで、いわゆる「受け口」のことです。

遺伝や顎骨の発育バランスが原因となることが多く、将来は食事がしにくい、発音が不明瞭になる、顎関節症を引き起こすリスクがあるため、早い時期からの治療が推奨されます。

開咬(かいこう)・オープンバイト

「開咬(かいこう)」とは奥歯でしっかり噛んだ時に上下の前歯にすき間ができている状態のことで、「オープンバイト」ともいいます。舌を出す癖、指しゃぶり、口呼吸などが原因です。

交叉咬合(こうさこうごう)・クロスバイト

「交叉咬合(こうさこうごう)」は顎がずれて奥歯の噛み合わせが上下反対になっている状態のこと。長期の指しゃぶりのクセや成長期に顎の成長のズレなどが原因で起こります。

子供の歯並びが悪くなる悪習癖を改善する治療法

子供に日常的な悪習癖がある場合は、早めに対策することで、歯並びと噛み合わせが悪化するのを予防することが可能です。ここからは、子供の悪習癖の治し方について見ていきます。

お子様一人ひとりの状態によって適切な治療法は異なりますので、まずは歯科医院に相談されることをおすすめします。

MFT(口腔筋機能療法)

「MFT(口腔筋機能療法)」とは、口周りにある筋肉、唇、頬などの機能を上手く動かせるように鍛えるトレーニングのことです。

舌癖や指しゃぶり、口呼吸といったクセをなくし、お口まわりの筋肉のバランスを整えて、正しい舌の位置を覚えます。永久歯が生えてきた頃に歯並びが悪くなるのを予防します。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は取り外し可能な子供用のマウスピースをお口に装着して、歯並びと噛み合わせを改善する治療法です。

現代の子供は舌の位置が下がっている「低位舌」が増えていますが、マウスピース矯正とMFT(口腔筋機能療法)を同時に行うことで、正常な舌の位置に戻すことができます。

床矯正(しょうきょうせい)

「床矯正(しょうきょうせい)」とは、歯に内側から圧力をかけて顎の骨の横幅を広げ、歯がきれいに並ぶためのスペースを作るために床矯正装置を用いた治療方法です。

床矯正装置は主に乳歯から永久歯に生え変わる時期から顎の骨の発育が顕著になる4歳~12歳くらいに使用されます。歯磨きや食事の際には取り外し可能です。

拡大床(拡大装置)

「拡大床(拡大装置)」とは歯がきれいに並ぶためのスペースが足りない時に、上顎の横幅を拡大して、十分なスペースを作るための装置です。

永久歯が全て生え揃う前、乳歯と永久歯が混合している「混合歯列期」に治療を始めれば、上顎骨の成長を正しい方向に促して、永久歯がきれいに生え揃うスペースを確保することができます。

ヘッドギア

「ヘッドギア」は上顎が下顎よりも大きく前に成長している「上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯」の治療に用いられることが多いです。

在宅時または就寝時に一日約12時間くらい装着することで、上顎の過剰な成長を抑制し、下顎の骨の成長を正しく導いて、顎の成長をコントロールします。

子供の気になる歯並びのご相談は「abc dental」へお気軽にどうぞ

子供の悪習癖をそのまま放置していると、歯並びや噛み合わせが悪くなるだけでなく、見た目のコンプレックスや発育にも悪影響を及ぼすことがあります。

顎の成長過程にある子供の時期からクセを治して、早いうちに矯正治療に取り組むことで、大人になってから後戻りしにくいきれいな歯並びを整える事が可能です。

まとめ

小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」では、お子様一人ひとりの状態と発育のペースに合わせた適切な治療をご提案いたしますので、歯並びに関するお悩みやご相談はお気軽にどうぞ。

東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。

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