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小児歯科の歴史

現在日本の子どもむし歯は、関係機関の取り組みが功を奏し、著しく減少している。3歳児のむし歯有病者率を例に挙げると、全国平均は24.6%(平成20年)である。

しかしながら、地域格差や個人差が大きく課題も残されている。12歳児の1人平均DMF歯数も1.4本(平成21年)と改善されてきているが、「健康日本21」の2010年までの目標値(12歳児で1本以下)には到達できていない。  

乳幼児期・学童期を通じて、むし歯のない健康な歯と口を維持することや自ら健康な歯や口をつくろうとする気持ちを育むことは、生涯を通じて心身ともに健康な生活を送ることの基盤になることが、近年明らかになってきていることからも、さらなる取り組みが必要であろう。  

以前あまり重要視されていなかったが、予防が重要視されてきている。むし歯の予防は、むし歯が多因子性の疾患であることから、好ましい生活リズム、規則正しい食事や成長にみあった食生活、適切な歯磨き、フッ化物による歯質の強化など、さまざまな方法を一人ひとりにあわせて取り組むことが効果的であり、これが共通した認識でもある。  

その一つであるフッ化物のむし歯予防効果については、WHOも勧告(1974年)を出して推奨している。厚生労働省も「フッ化物洗口ガイドライン」を発表(2003年)しているように、その効果が明かであることはエビデンスに基づいた判断と考えられる。  

こうしたことから、現在日本の子どもたちのむし歯予防法として、フッ化物の応用は極めて有用な手段であると結論づけられる。 これまで保育所・幼稚園、学校では昼食後にはなるべく早く歯みがきをしてから遊びましょうと指導してきています。その理由としては、むし歯をつくる細菌が多量に含まれる歯垢(プラーク)と食後口の中に残留する糖質を早く取り除くためだからです。

ところが、最近になって、食後すぐに歯をみがくと、あたかも歯が溶けてしまうというような報道が新聞やテレビで伝えられたため、現場がやや混乱しているようです。 これらの報道のもととなったのは、実験的に酸性炭酸飲料に歯の象牙質の試験片を90秒間浸した後、口の中にもどしてその後の歯みがき開始時間の違いによる酸の浸透を調べた論文で、むし歯とは異なる「酸蝕症」の実験による見解なのです。

実際の人の口の中では、歯の表面は上記の実験で用いられた象牙質ではなく酸に対する抵抗性がより高いエナメル質によって被われています。したがって、このような酸性飲料を飲んだとしても、エナメル質への酸の浸透は象牙質よりずっと少なく、さらに唾液が潤っている歯の表面は酸を中和する働きがあり、酸性飲料の頻繁な摂取がないかぎり、すぐには歯が溶けないように防御機能が働いています。

つまり、一般的な食事ではこのような酸蝕症は起こりにくいと考えられます。 小児における歯みがきの目的は歯垢の除去、すなわち酸を産生する細菌を取り除くとともにその原料となる糖質を取り除くことです。歯みがきをしないままでいると、歯垢中の細菌によって糖質が分解され酸が産生されて、歯が溶けだす脱灰が始まります。このように、歯垢中の細菌がつくる酸が歯を脱灰してできるむし歯と、酸性の飲食物が直接歯を溶かす酸蝕症とは成り立ちが違うものなのです。

結論としては、通常の食事の時は早めに歯みがきをして歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことの方が重要です。 学会としても今後より詳細な情報を提供していく予定ですが、現在のところ、園・学校における昼食後の歯みがきについては、現状通りの方法で問題ありません。

子供は大人を小さくしたものではないということが認識されるようになって、小児科学は内科学から独立して、臨床いがくの一分野として認められたように、小児歯科学においても同様な経緯から独立した。

18世紀のヨーロッパにおいて、捨て子が多く、その子供たちを収容する孤児院がつくられ、それが発展して小児病院が設立され、臨床と研究の中心となり小児科学が築かれたように、その子供たちの口腔疾患の臨床と研究が行われ、小児歯科学が誕生した。

日本では、小児歯科学誕生の経緯は欧米と異なる。日本大学歯学部矯正科内保育歯科として小児歯科外来が誕生し、その後、東京医科歯科大学にはじめて講座が誕生し、現在に至ってる。

1924年(大正13年) 小児歯科学の最初の著書(アメリカ)
1930年(昭和5年) 小児歯科学の最初の著書(日本)
1940年(昭和15年) 小児歯科学会の設立(アメリカ)
1941年(昭和16年) 小児歯科学講座誕生
1955年(昭和30年)ころ 歯科大学における小児歯科外来の誕生(日本)
1956年(昭和31年) 小児歯科学講座の設立(日本)
1963年(昭和38年) 小児歯科学会の設立(日本)
1978年(昭和53年) 「昭和歯科」の標榜科名(日本)
2008年(平成20年)小児歯科専門医制度の制定 引用 学建書院 小児の口腔科学