子供の歯並びチェックリスト!家庭で簡易診断できる!

「簡単な 歯並びチェック をする方法をご紹介しますので、歯並びが気になる方、小学校の歯科検診で不正咬合の症状と診断された方は、ぜひ参考にしてみてください」

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「abc dental」の院長です。

いつもブログ・Instagram(@abcdental11)・X(@abc_111_)を見ていただいてありがとうございます。

子供の歯並びが気になる保護者様は、将来キレイな歯並びになるために「歯の矯正治療」に興味をお持ちの方も多いかと思います。

実際に矯正治療が必要かどうか判断するには、歯科医院に相談して、精密検査の結果の下、歯科医に診断してもらう必要がありますが、その前に自宅でチェックすることも可能です。

そこで今回は、家庭でできる簡単な「歯並びチェック」をする方法をご紹介しますので、歯並びが気になる方、小学校の歯科検診で不正咬合の症状と診断された方は、ぜひ参考にしてみてください。

ご質問:自宅で簡単にできる歯並びチェック方法を教えてください

ご質問をいただきました。

ご質問者様:7歳の娘さんのお母様

娘は私の歯並びに似ていて八重歯があります。小学校の歯科検診で虫歯や歯肉炎があると分かり、歯列・咬合の項目では「2:要精検」と診断されたので、不正咬合の症状があるようです。

今の段階で矯正治療が必要なのかどうか、歯医者に行く前に自宅で簡単にチェックできる方法があれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。

回答:前歯を見て歯並びチェックする方法をご紹介します

質問に回答します。

学校の歯科検診では、虫歯や歯肉炎があるかどうか、また歯並びや噛み合わせに問題がないかどうか、乳歯から永久歯の生え変わりが正常か、といった様々な点をチェックします。

歯並びと噛み合わせについては「歯列・咬合」の項目を確認すると、評価基準が以下の3段階で判断されます。

▽歯列・咬合の項目の評価基準

0:異常なし

1:要観察…軽度の不正咬合、経過観察、矯正治療が必要になるケースもあり

2:要精検…重度の不正咬合、歯科医院で専門的な精密検査が必要

歯列・咬合の項目で「2:要精検」と診断された場合、将来的に、歯並び・噛み合わせの問題が生じるリスクが高いため、歯科医院で精密検査を受けることをおすすめします。

歯科医院では、レントゲン撮影や検査を行い、骨格に問題がないか、奥歯の状態などを確認し、全体のバランスを総合的に見て、適切な治療開始のタイミングを判断します。

子供の矯正治療は、単に口元の見た目を良くするだけでなく、食べ物を噛んだり飲み込んだり、喋るといった口腔機能を正常に改善したり、将来のお口の健康にも繋がります。

子供の矯正(小児矯正)は顎骨が成長している早めの段階で行うことが重要ですが、必ずしも早ければ良いというわけではありませんので、歯科医院での検査と適切な判断が必要です。

その前段階として、ご家庭でできる簡単な歯並びチェック方法をご紹介しましょう。

【年齢別】子供の歯並びチェックリスト

お子様の年齢別に歯並びをチェックしましょう。

※あくまでもご家庭で行う簡易検査になりますので、矯正治療が必要かどうかは歯科医院に相談されることをおすすめします。

3歳から5歳のチェック項目

3歳から5歳は乳歯列完成期です。

以下の項目に当てはまらない場合は、不正咬合の症状がある可能性があります。

  • 上下の歯が合計20本ある
  • 上下の前歯の間に1~2mm程度の隙間がある
  • 噛んだ時に上の前歯が下の前歯に被さって噛んでいる(上の前歯が下の前歯より奥に入り込むとNG)

▽日常のNG癖もチェック

  • 指しゃぶりの癖がある
  • 言葉が聞き取りにくい
  • 前歯で食べ物を嚙みにくい
  • お口がポカンと開いている
  • 歯ぎしりをする
  • 大きないびきをする
  • うつぶせ寝をする

6歳から8歳以上のチェック項目

6歳になると下の前歯が抜けて、7歳を過ぎると上の前歯が抜けて、前歯から奥歯の順に永久歯に生え変わります。

以下の項目に当てはまらない場合は、不正咬合の症状がある可能性があります。

  • 上下の前歯(永久歯)が生え揃っている
  • 上下の前歯の間に0.5~1mm程度の隙間がある
  • 上の前歯は下の前歯に2〜3mm程度被さって噛んでいる
  • 6才臼歯(真ん中から数えて6番目の歯)が8歳を過ぎても生えてこない

子供が顎の関節が痛いと言ったり、口が開きにくいといった症状がみられる場合は、顎関節症の可能性がありますので、早めに歯科医院に相談し、早期発見・早期治療が大切です。

子どもの前歯をチェック!子供の歯並び簡易検査

ここからは、子供の前歯をチェックして、不正咬合の症状があるか確認する方法をご紹介しましょう。子供の前歯を正面から、そして横顔を見て、確認してください。

前歯がすきっ歯

2歳以下の乳歯の段階では、前歯に隙間がある方が正常咬合となり、歯並びと噛み合わせは問題ありません。乳歯の歯並びに問題があっても、様子を見ることがほとんどです。

歯の生え変わりが始まった段階で、歯と歯の間に大きなすき間がある場合は、「空隙歯列(くうげきしれつ)」いわゆる「すきっ歯」と呼ばれる不正咬合の症状が考えられます。

主な原因は上唇小帯(上前歯の中心から唇にかけて続くヒダ状の粘膜)の付着異常、もしくは埋伏過剰歯の場合があります。

話しているときに歯の隙間から空気が抜けるため、さ行・た行が発音しにくく、言葉が聞き取りにくいといった症状が起こります。

前歯のかみ合わせが逆

通常、前歯は上の前歯が外側にあり、下の前歯は内側に収まりますが、それが逆になっている場合は「反対咬合」、「下顎前突(かがくぜんとつ)」の可能性が高いです。

「反対咬合」とは通常の噛み合わせと反対になっており、下の前歯が上の歯よりも前に出ている「受け口」となり、下顎が上顎の成長を阻止して、しゃくれあごになる可能性があります。

上下の顎の成長は、順番的に下顎、その後に上顎が成長するため、反対咬合の症状をそのまま放置していると、成長とともに「しゃくれ」の度合が増してしまうリスクが高いです。

下の前歯が上の前歯より前方に出ている原因は、骨格的に下顎が大きい遺伝的な問題のほか、上下の顎骨の成長バランスがズレ、噛み癖などによって起こります。

顎の成長が終了して矯正する場合、外科矯正治療が必要になるケースがありますので、反対咬合かな…と思ったら、早めに歯科医院に相談し、早期発見・早期治療が大切です。

歯が斜めに生えてきた

前歯が斜めに生えてきた場合、前歯が八の字に生えたてきた場合、多くのケースでは顎の成長とともにまっすぐに改善して、正常咬合になりますが、早期対処が必要なケースもあります。

例えば、上顎が斜め前に飛び出している場合、「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」の可能性があり、いわゆる「出っ歯」と呼ばれる不正咬合の症状が考えられます。

出っ歯には二つのタイプがあり、一つは上の前歯全体が前に飛び出しているタイプ、もう一つは下顎が小さく奥に引っ込み過ぎているため、上の前歯が突出して見えるタイプです。

「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」になる原因は、顎骨の骨格的な問題の他にも、舌で前歯を押し出す癖、爪を噛む癖、長年の指しゃぶりなども考えられます。

子供に「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」の症状があると、顎の成長とともに出っ歯が目立ってくる傾向にありますので、症状が悪化する前に歯科医に相談しましょう。

生え変わりが遅い・順番がおかしい

歯の生え変わりや順番は個人差によるものが大きく、そこまで心配する必要はありません。

一般的に歯が生え変わる時期は6歳から12歳です。この時期は乳歯と永久歯が混ざった時期になる「混合歯列期」と呼ばれ、早い・遅いは個人差がありますから、過度な心配は不要です。

まずは、6歳頃に最初に下の前歯が抜けて、次に下の前歯4本、7歳を過ぎた頃に上の前歯4本が抜けます。一般的に前歯から奥歯の順に生え変わり、上下の奥歯は11歳頃に生え揃います。

歯の生え変わる年齢や順番は多くの場合、問題はありませんが、乳歯が残ったまま後ろから永久歯が生えてきた場合は歯列が乱れる可能性が高いため、早めに歯科医院に相談しましょう。

▽歯の生え変わりが遅いメリットと注意点はコチラをチェック!

子供の歯の生え変わりが遅いのは問題?意外なメリットと注意点を解説します! – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

前歯が噛んでいない

上下の奥歯を噛んだ時に、上下の前歯にすき間ができている場合、前歯がきちんと噛めていない場合は「開咬(かいこう)」・「オープンバイト」という不正咬合の可能性があります。

奥歯でしっかり噛んでいても前歯が閉まらないため口を閉じにくく、食べ物を前歯で噛み切ることができず、サ行、タ行などの発音が不明瞭になりやすいです。

前歯は噛み合っていても、奥歯が噛み合っていない場合もあり、一見すると歯並びが良くても「開咬(かいこう)」・「オープンバイト」の可能性があるので注意が必要です。

原因は骨格的な問題の他、指しゃぶりの癖、舌の癖、呼吸器系の病気、口呼吸などが考えられますので、早めに原因を突き止めて症状を改善することが推奨されます。

前歯がデコボコしている

歯が重なり合って生えている、歯列がデコボコしている、歯がねじれて生えている場合、「叢生(そうせい)」と呼ばれる不正咬合の症状です。犬歯は八重歯(やえば)と呼ばれます。

現代の子供に多い不正咬合の一つで、主な原因は顎が小さく歯が大きいために、キレイに並ぶスペースが足りず、歯が重なり合ってしまい、歯並びがガタガタになってしまうのです。

叢生の症状は歯磨きしにくいために、歯石や歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。また、将来、見た目が気になる可能性もあるでしょう。

下の前歯が全く見えない

通常、上下の歯を噛んだ時に上の前歯は下の前歯を覆いかぶさっていますが、下の歯が全く見えないほど深く覆われている状態は「過蓋咬合(かがいこうごう)」と呼ばれる症状です。

原因は上下顎骨の位置異常、あるいは上下顎骨の大きさのアンバランスが考えられ、症状を放置していると顎関節に負担がかかり、正常な下顎の成長を妨げる可能性があります。

子供の歯並びが気になったら歯科医院に相談しましょう

セルフチェックで子供の歯並びが悪いと分かった方、学校の歯科検診で不正咬合と診断された場合は、矯正歯科を専門とする歯科医院に相談されることをおすすめします。

学校の歯科検診では大まかな不正咬合の症状しか確認することができませんが、矯正歯科医院では精密検査やレントゲン撮影などを行い、将来の歯並びを予測することが可能です。

今回、家庭でできる歯並びチェック方法をご紹介しましたが、歯並びの状態はお子様一人ひとり異なりますので、適切な矯正治療方法や治療開始時期は人によって異なります。

まずは、矯正歯科専門の歯科医院に相談し、歯並びの状態を見てもらい、歯列が悪化する原因、治療法の選択肢、治療期間や治療費など気になる点について説明を受けましょう。


小児矯正・早期治療のメリット

お子様の歯並びはすぐに矯正した方が良いのか、それとも様子を見た方が良いのかについては、歯科医が精密検査を行い、お口の状態を見て総合的に判断します。

一般的に小児矯正は歯が生え変わる時期、乳歯と永久歯が混合している混合歯列期(3〜9歳くらいまで)までに治療を開始すると効果的だと言われています。

早期治療が推奨されている理由は以下が挙げられます。

  • 上下の顎骨の成長過程をコントロールできる
  • 子供の骨は大人の骨よりも柔らかいから
  • 子供は矯正装置に慣れる、適応性が高い
  • 治療中に痛みを感じにくい
  • 根本原因にアプローチした治療が可能
  • 永久歯を抜かない治療ができる
  • 将来、矯正治療期間と費用を抑えられる

乳歯から永久歯に生え変わる時期に小児矯正を始めることで、体の成長を利用しながら顎骨の成長を正しい方向へ促すことができ、根本的な原因から歯並びや噛み合わせを改善可能です。

また、子供の矯正治療の方が大人になってから治療を始めるよりも痛みや違和感を感じにくく、子供ならではの適応性を発揮しますので、より治療効果も良くなると期待できます。

近年の小児矯正は目立たない装置が増えており、スポーツや楽器演奏などの部活動をされているお子様も体や精神的な負担を軽減して治療を始めることが可能です。

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まとめ

子供のうちに一度、矯正を専門とする歯科医院に相談し、精密検査を受けることで、将来の歯並びがどうなるのか予測し、矯正治療を始めるタイミングを知ることができます。

歯並びが改善されると見た目が良くなるのはもちろん、口腔機能を向上させ、MFT(口腔筋機能療法)や生活習慣の指導によって、指しゃぶりや舌の癖、口呼吸などの習慣を改善します。

お子様の歯並びが気になる方は、ぜひお子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」の無料カウンセリングをご利用くださいませ。

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