子どもが寝ている時のすごい歯ぎしり原因3つと対処法を徹底解説

歯科医師監修イラスト解説

子どもが寝ている時に歯ぎしりがすごい!_1_子供が寝ている時の歯ぎしりの原因と影響を説明するイラスト解説
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専門家による詳細ガイド

「子供の歯ぎしりの原因と対処法について詳しく解説します。子供の歯ぎしりは成長過程でよく見られる現象ではありますが、特定の症例では歯科医の診療や治療が必要になる場合もあるため注意が必要です。」

みなさん、こんにちは!

大田区田園調布にある「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」の院長です。

いつも見て頂いてありがとうございます。

今回のテーマは、「子供の歯ぎしり」について詳しく解説します。

お子様が寝ている時に「歯ぎしり」が激しくて、歯が割れたり、すり減ってしまわないか心配…と悩まれている親御様は多いです。

結論から申し上げますと、多くの場合は、成長過程に起きる現象ですので、過度な心配は不要ですが、一部のケースでは治療が必要なことがあります。では、詳しく見ていきましょう。

▽先読み!この記事で分かること

・なぜ子供は歯ぎしりをするのか

・子供の歯ぎしりは成長過程に起こる

・歯科医の診療と治療が必要なケースもある

・自宅で子供の歯ぎしりを改善する方法

ご質問:子どもの「歯ぎしり」が心配です…放っておいて大丈夫?

ご質問がありました。

「5歳の子どもが、寝ている時によく歯ぎしりをしています。ギリギリと結構大きな音でとても気になります。歯が削れたり顎が痛くならないか…と心配です。

ネットで調べてみたら問題ないと見たので、このまま放っておいても大丈夫でしょうか?子供の歯ぎしりは歯並びが悪いから起きているのでしょうか?」

回答:多くの場合、問題ありません

お子様の歯ぎしりが心配、というご相談は多く寄せられます。

そもそも、「歯ぎしり(はぎしり)​​」とは無意識のうちに食いしばったり、上下の歯をこすり合わせてしまう状態のことです。

冒頭にも申し上げたように、基本的にお子様の歯ぎしりはほとんどのケースで問題ありません

大人の歯ぎしりはストレスや歯へのダメージによって歯並びに悪影響を与えますが、お子様の場合は、成長過程に起こるよくある現象です。

乳歯が生え始める8ヶ月くらいになると、咬み合わせ(かみあわせ)を整えて、永久歯が正しい位置に並ぶためのスペースを作るため、歯ぎしりをするようになります。

10歳までの子供の約40%くらいは歯ぎしりをしていると言われていますので、過度に心配せずに、経過を見て見守ってあげましょう

ただし、顎関節に異常が出始めているような一部の症例では、問題となる場合もありますので注意が必要です。

子どもが歯ぎしりする3つの原因

子供の歯ぎしりは成長過程に起きる現象です。多くの場合、以下の3つの原因によるものですから、過度に心配する必要はありません。

①顎の位置を決めるため

歯が生え始める生後6カ月〜8カ月頃になると、歯ぎしりをして顎の位置を決めているといわれています。そのため、歯ぎしりは顎の成長のために必要という意見もあります。

②咬み合わせを決めるため

赤ちゃんはまだ咬み合わせが安定していませんが、乳歯が生え始める頃、咬み合わせを決めるために歯ぎしりを始めます。

③永久歯が生えるスペースを作るため

乳歯から永久歯に生え変わる4歳〜6歳くらいになると、久歯が生えるスペースを確保するために、歯ぎしりをするといわれていますので、成長の過程で必要だという意見があります。

子どもが歯ぎしりを始める年齢は?

子どもが歯ぎしりを始めるタイミングは個人差がありますが、一般的に乳歯が生え始める生後6カ月〜8か月くらいから始まることが多いです。

寝ているときだけでなく、昼間の起きている時にも現れることがあります。成長とともに症状は改善されて収まりますので、親御様は成長経過を見守ってあげるようにしてください。

歯並びが悪いと歯ぎしりで問題が起きやすい

お子様の歯並びが悪く、不正咬合と診断されたことがある場合、歯ぎしりをすると、上下の歯がぶつかる時に衝撃によって、歯が削れたり、顎関節症になるリスクもあります。

歯並びが悪いお子様は一度、歯科医院に歯ぎしりについて相談してみると良いでしょう。また、日頃の食事でよく噛む習慣をつけさせて、噛む回数を増やし、顎の成長を促すことが大事です。

子供の歯ぎしり|歯科医の診療が必要なケース

子供の歯ぎしりは基本的に問題ないと述べましたが、以下のような症状が見られる場合は、一度、歯科医院に診てもらうと良いでしょう。

顎関節に異常が出始めている

お子様が口を開けると痛みが出たり、口を開けるとガクガクと音がする症状がある場合は、顎関節に異常がある可能性がありますので、早めに歯科医の診療を受ける必要があります。

歯ぎしりが習慣になると、顎まわりの筋肉が緊張して顎関節に過度の負担をかけてしまい、顎関節症を引き起こしてしまうリスクがあります。

顎関節症は軽度のうちは比較的簡単に治療できますが、重度まで進んでしまうと簡単に治すことができなくなり、顎が壊れて一生ものを噛めない状態まで悪化するため注意が必要です。

歯が欠けた・すり減った・揺れてきた

ひどい歯ぎしりが続くと、歯に大きな負担をかけて歯が大きく欠けたり、すり減ったり、揺れてくることがあります。放っておくと全身の歪みや成長の遅れに繋がるので要注意。

稀なケースですが、神経が強い圧力に耐え切れずに、歯の神経まで影響が出て、歯ぐきが腫れたり出血、強い痛みを伴うことがあるので、早めに歯科医院で診療を受けましょう。

自宅で子どもの歯ぎしりを改善する3つの方法

ここからは、「お子様の歯ぎしりをやめさせたい」方に向けて、生活習慣を見直して改善する方法をご紹介しましょう。

①姿勢を正す

机に向かって勉強している時やテレビを見ている時に、背中が曲がっていると、首の前方の筋肉が緊張して口を開けにくくなり、歯ぎしりをして顎関節になりやすくなるので要注意です。

歯ぎしり改善のためにも、猫背や頬杖をつく癖を改めて、姿勢を正しく保つように心がけましょう。

②仰向けに寝る

うつ伏せや横向きに寝ている場合、顎の位置がずれる原因にもなると言われています。寝る時の向きを仰向けに変えてみると身体の圧力が均等に分散されますので、歯ぎしりが改善することがあります。

③リラックスできる環境を作る

最近は、子供も学校や習い事などで忙しく、ストレスを抱えていることがあります。

永久歯が生え揃う時期は多感な時期でもありますので、落ち着いたリビングでリラックスしながら親子で会話ができると良いでしょう。

歯ぎしりの“奥にある”呼吸・舌・噛み合わせ——2分セルフチェックで矯正の検討サインを確認

子どもの歯ぎしりは成長の過程で見られることが多い一方で、口が閉じづらい/鼻呼吸が続かない/舌が前に出やすいなどの傾向があると、口腔機能(噛む・呼吸・飲み込み)を整える視点が役立ちます。ご家庭で2分セルフチェックを。

2分セルフチェック(当てはまる項目に✓)

  • 寝ている時のいびき口呼吸が続く/日中も口が開きやすい
  • 朝起きるとあごがだるい・頬のこわばりがある/歯の縁がすり減るのが気になる
  • 前歯で噛み切りにくい(麺や海苔が切れずに残る)
  • 歯のデコボコやすき間が目立ってきた/歯列が内側に狭い気がする
  • 飲み込む時に舌が前に出る(舌で前歯を押しがち)

2つ以上当てはまるなら、日常ケアに加えて口腔育成(機能づくり)の視点を足すと安心です。まずは 小児矯正の総合ページで、矯正で行うこと/生活習慣で整えることを短時間で整理しましょう。

年齢別:はじめの一歩

  • 3〜6歳:鼻呼吸・正しい飲み込み・舌の安定(舌位)が歯並びの土台。進め方は 3〜6歳の矯正情報へ。
  • 6〜12歳:前歯〜奥歯の生え替わり期。成長に合わせて見守り+必要な介入を。 6〜12歳の矯正情報で目安を確認。

歯ぎしり対策×MFT(口腔筋機能トレーニング)の相乗効果

唇・頬・舌のバランスを整える練習(MFT)で、鼻呼吸が続く/前歯で噛み切れる/飲み込み時に舌が前へ出ない状態に近づくと、歯ぎしりの“原因側”へのアプローチになり、清掃もしやすくなります。詳しくは 口腔筋機能トレーニング(MFT)をご覧ください。

受診の前に——当院の流れ

当院は電話での初診カウンセリングから始まります(来院前に疑問を整理できます)。次の一歩は はじめての方へ|初診の流れをご確認のうえ、そのまま 予約・お問い合わせへどうぞ。

小児歯科で子供の歯ぎしりを治療する方法

小児歯科では子供の歯ぎしりを治療することが可能です。

歯や顎に負担がかからないように、治療を進めるため、歯列矯正によく使用されるマウスピースを歯ぎしり治療にも使うことも多いです。マウスピース矯正は、一人に一人に合わせて作られたマウスピース装着しフィット感があり、比較的すぐに慣れることが多いです。

歯並びや噛み合わせを矯正する必要がある場合は、矯正治療をすることで歯ぎしりも改善されることがあります。まずは、歯ぎしりを放置せずに、歯科医院に相談しましょう。

まとめ|子供の歯ぎしりは成長過程の自然な現象

今回は、子供の歯ぎしりについて詳しく解説してきました。お子様の夜間の歯ぎしりに悩む親御様も多いですが、多くの場合は成長過程で起こる自然な現象であることをご理解いただけたかと思います。

この記事のポイント

✓ 子供の歯ぎしりの主な原因(成長に必要な3つの理由)

  • 顎の位置を決めるため(生後6〜8ヶ月頃)
  • 噛み合わせを安定させるため
  • 永久歯のスペースを作るため(4〜6歳頃)

✓ 歯科医の診察が必要な警告サイン

  • 口を開けると痛みやガクガク音がする(顎関節症の可能性)
  • 歯が欠けた・すり減った・揺れている
  • 歯ぎしりの音が大きくて気になる

✓ 自宅でできる3つの改善方法

  • 正しい姿勢を保つ(猫背・頬杖の改善)
  • 仰向けで寝る習慣をつける
  • リラックスできる環境づくり

親御様へのメッセージ

10歳までの子供の約40%が歯ぎしりを経験すると言われています。基本的には成長とともに自然に改善されますので、過度な心配は不要です。

ただし、「様子を見る」と「放置する」は違います。お子様の歯並びが悪い場合や、上記の警告サインが見られる場合は、早めの対応が将来の健康な歯並びにつながります。

このような場合は、一度ご相談ください

  • 歯ぎしりの音が大きくて心配
  • 顎の痛みを訴えている
  • 歯並びも気になっている
  • 6歳を過ぎても改善しない

次のステップ

お子様の歯ぎしりについて少しでも不安がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。当院では、お子様一人ひとりの成長段階に合わせた適切なアドバイスをさせていただいています。

歯ぎしりの原因が歯並びにある場合や、歯ぎしりの問題が起きやすい歯並びに関しては、小児矯正で根本的な改善が可能です。まずは初診の電話カウンセリングでお気軽にご相談ください。

お子様の歯ぎしりのお悩み、お聞かせください

ABC Dental 子ども専門 小児歯科・矯正歯科

📍 東京都大田区田園調布2丁目39番12号

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