小児の歯列が狭い・叢生が心配な方へ。拡大床(床矯正)の仕組み・適応/非適応、当院の流れ(相談→検査→型取り→装置装着)、装着時間や学校生活の工夫、費用・リスクを解説。
このページで分かること
- 拡大床(床矯正)とは?—仕組みと目的
- 適応の目安と非適応になりやすいケース
- 当院の治療の流れ(相談→検査→型取り→装置装着)
- 学校生活との両立(装着時間・清掃・部活)
- 他の装置との比較(アライナー/ワイヤー)
- 費用・期間の目安 と 起こり得るリスク
- 関連症例・よくある質問
拡大床(床矯正)とは?—仕組みと目的
拡大床(expander)は、中央のスクリューを少しずつ回すことで歯列の横幅を広げ、 将来の歯の並ぶスペース(アーチ幅)を整えるための装置です。取り外し式のものと固定式のものがあり、 お口の状況や年齢、管理のしやすさを踏まえて選択します。
目的はスペース不足の緩和や、上顎の狭さに由来する交叉咬合(反対咬合の一部)、 一部の開咬傾向の改善に役立つベース作りです。最終的な配列や噛み合わせの仕上げに アライナーや ワイヤーを併用する場合もあります。
適応の目安と非適応になりやすいケース
- 適応の目安:生え替わり期(目安:6〜12歳)で 歯列の狭さやスペース不足が気になる/軽度〜中等度の交叉咬合/開咬傾向に習癖対応(MFT)を併用したい
- 非適応になりやすい例:装置の管理や清掃が著しく困難/骨格性の不調和が大きく他の方法が望ましい場合/ 医師の診察により固定式や別装置が有利と判断されるケース
最終的な可否は診察・資料採得(写真・模型・必要に応じエックス線等)で評価し、個別にご説明します。
当院の治療の流れ(相談→検査→型取り→装置装着)
- 初診相談(電話カウンセリング含む):気になる点・ご希望を伺い、考えられる選択肢と概算をご案内します。 相談予約はこちら。
- 資料採得・診断:口腔内写真や3Dスキャンで記録し、歯列幅・咬合・成長段階を評価。必要に応じて MFTが有効かも確認します。
- 計画説明:装置の種類(取り外し式/固定式)、装着・管理方法、通院頻度、リスク、 費用を個別にご説明します。
- 初回装置の型取り:適合や清掃性を考慮しながら装置を製作します。
- 装置装着・使用指導:装着練習、清掃・保管方法、スクリューの回し方(回数・タイミング)は 医師の指示に沿っていただきます。
- 定期通院:およそ4〜8週ごと(個人差あり)。経過を確認し、必要に応じて計画を調整します。
学校生活との両立(装着時間・清掃・部活)
- 授業や多くの行事は通常どおり参加可能です。吹奏楽や接触スポーツは活動内容に応じて 外す/付けるの使い分けをご案内します(取り外し式の場合)。
- 食事中は原則外し、食後に清掃→再装着を習慣化。保管ケースの携帯をおすすめします。
- 紛失・破損時の連絡方法や再製作の流れは、装置装着時に共有します。
他の装置との比較(目安)
装置 | 得意な場面 | 管理・生活面 | 関連リンク |
---|---|---|---|
拡大床(取り外し式) | 歯列の横幅不足/軽〜中等度のスペース確保 | 家庭での管理が重要。清掃しやすい | 本ページ |
固定式拡大装置 | コントロールを強めに効かせたいとき | 着脱不要だが清掃指導が重要 | 本ページ(診断で説明) |
アライナー(Invisalign) | 配列や前歯傾斜の改善・微調整/生活との両立 | 装着時間の自己管理が鍵 | Invisalign First/ Invisalign |
ワイヤー矯正 | 三次元的なコントロールや仕上げ | 定期調整が必要。清掃指導が重要 | ワイヤー矯正 |
最適な組み合わせは診断のうえご提案します。症例もご参照ください。
費用・期間の目安
治療内容により異なります。標準的な費用の目安は 費用ページ にまとめています(分割・カード対応、医療費控除の考え方も掲載)。
期間は1年〜2年超など個人差があります。診断時におおよその目安をお伝えします。
起こり得るリスク・副作用
- 装着初期の違和感・圧感、発音の一時的な変化
- 清掃不良に伴う虫歯・歯肉炎のリスク増
- 装置の破損・紛失、計画どおりに進まない可能性
詳しくは 小児矯正のリスク・副作用と注意点 をご確認ください。
関連症例
- 症例:叢生|小学生|7歳9ヶ月から開始|拡大床(床矯正)とインビザライン+筋機能療法を併用し治療(例:症例を見る)
- 症例:叢生|小学生|6歳10ヶ月から開始|拡大床(床矯正)+筋機能療法を併用し治療(例:症例を見る)
よくある質問(FAQ)
Q. 何歳ごろが適していますか?
A. 生え替わりが進む 6〜12歳 が一つの目安です。適応は診察で判断します。
Q. どのくらいの装着時間が必要ですか?
A. 症状や装置の種類により異なります。具体的な時間・スクリューの回し方は医師の指示に従ってください。
Q. 食事や体育は大丈夫?
A. 多くは通常どおり可能です(取り外し式は食事中は外すのが原則)。部活・吹奏楽は活動内容に応じて運用します。
Q. 拡大後に戻りませんか?
A. 早期開始や保定と習癖への対応(MFT を含む)が重要です。顎の拡大が可能な年齢は4歳~9歳の間と限定的であり、開始時期が遅れると拡大が困難となったり、拡大できたとしても後戻りのリスクが増加します。初回歯並び相談の結果説明時にご説明します。
ご予約・アクセス
Web予約に対応。初診の方はまず電話カウンセリングから。予約ページ・地図・アクセスはこちらからご確認いただけます。
料金表
歯並びのお悩みやご希望を丁寧に伺い、最適な治療プランとお見積りをご提示いたします。お気軽にご相談ください。
小児矯正症例のご紹介
当院で行った小児矯正の実例を掲載しています。大田区田園調布の子供専門だからこそ実現できる矯正治療をご覧ください。
矯正装置・治療法
透明マウスピースから拡大装置まで、お子さま一人ひとりの成長に合わせたオーダーメイド治療をご紹介します。
年齢別の歯並びと顎の成長
0〜18歳までそれぞれの成長ステージに合わせた歯並び・顎の発育を解説。大田区の子供矯正専門ならではの視点で最適なケアをご案内。
小児矯正のリスクと注意点
小児矯正に伴う一般的なリスク・副作用等を説明します。適応や副作用には個人差があり、詳細は診察時にもご案内します。