開咬(前歯が咬み合わない)

前歯が咬み合わない「開咬」の原因(習癖・骨格・歯列幅)と治療(MFT/拡大床/アライナー/ワイヤー)、期間・費用・リスクを小児専門の視点で解説。症例も掲載。

このページで分かること

開咬とは?(前歯が咬み合わない状態)

上下の前歯が接触せず、前歯で噛み切りにくい状態を「開咬」と呼びます。小児では 習癖(舌突出・口呼吸・指しゃぶり等)歯列幅の不足骨格的傾向が複合して現れることが多く、原因の見極めが大切です。 後方部だけが開く「臼歯部開咬」もありますが、ここでは保護者の方の訴えが多い前歯部開咬を中心に説明します。

主な原因(習癖・骨格・歯列幅)

  • 口腔習癖:舌突出癖、口呼吸、指しゃぶり、哺乳・飲み込みの癖など
  • 歯列の幅:上顎歯列が狭い/アーチ形状の不均衡
  • 骨格の傾向:垂直的過成長傾向(顔の下方成長が強い など)
  • 生え替わりの影響:スペース配分・萌出方向の問題
  • 遺伝要因/鼻咽腔の状態:鼻閉傾向が口呼吸を助長するケースも

放置した場合に起こり得ること

  • 咀嚼の不便:前歯で噛み切りにくい・丸のみ傾向
  • 発音への影響:サ行などで舌の位置が不安定になりやすい
  • 見た目・口唇閉鎖:口が閉じにくい・口呼吸傾向

いずれも起こり得る可能性で、すべての方に当てはまるわけではありません。気になる場合はお早めにご相談ください。

受診の目安とセルフチェック

  • 横から見ると前歯が接触しない/麺類を前歯で噛み切りにくい
  • 舌を前に押し出す癖口呼吸の自覚がある
  • 指しゃぶりが続いている/やめられない

年齢の参考:
3〜6歳(幼児)6〜12歳(生え替わり期)12〜15歳(小児後期〜中学生)

治療の選び方(軽度〜重度の考え方)

原因(習癖/歯列幅/骨格)と程度、生活スタイル(装着時間の管理)を踏まえて最適案を提案します。以下は一般的な目安(最終判断は診断後に個別説明)。

主因・程度考え方(例)関連ページ
習癖主体(軽度〜中等度)まずMFT(筋機能トレ)で舌位・鼻呼吸を整え、必要に応じてアライナーやワイヤーを併用MFT
歯列幅の不足・交叉や狭窄を伴う拡大床等でアーチ幅を整える。MFTと併用することが多い拡大床(床矯正)
配列の乱れ・前歯の傾きが主取り外し式のアライナーで前歯の傾き・接触改善を図るInvisalign First(早期)/ Invisalign(小児後期〜中高生)
コントロール重視・ねじれ/段差が大ワイヤーで三次元コントロールを検討(併用・段階治療を含む)ワイヤー矯正

管理しやすさ・通学生活との両立を前提に、ご家庭で続けられる治療計画を一緒に考えます。

治療の流れ(相談→検査→機能評価→装置)

  1. 初診相談:まずは電話カウンセリングで困りごと・気になる点やご希望を伺います。
  2. 資料採得・診断:写真・3Dスキャン等に加え、舌位・鼻呼吸・口唇閉鎖の機能評価。
  3. 計画説明:装置(MFT/拡大/アライナー/ワイヤー)の役割、装着時間や通院頻度、費用・リスクを個別に説明。
  4. 初回装置型取り:初回の装置作成のための型取りを行います。
  5. 装置装着・使用指導:装着練習、清掃・保管の確認。
  6. 定期通院:およそ4〜8週ごと(個人差あり)。経過に応じて調整します。

学校生活との両立(装着時間・清掃・部活)

  • 授業・行事・部活は概ね通常通り参加可能。吹奏楽や接触スポーツは活動内容に合わせて外す/付けるを使い分け(取り外し式の場合)。
  • 食事中は原則外し、食後に清掃→再装着を習慣化。
  • 保管ケースの携帯と、紛失・破損時の連絡手順を事前に共有。

費用・期間の目安

治療内容により異なります。標準的な費用の目安は 費用ページ にまとめています(分割・カード対応、医療費控除の考え方も掲載)。

期間は1年〜3年超など個人差があります。診断時におおよその目安をご案内します。

起こり得るリスク・副作用

装着初期の違和感・疼痛、装置の破損・紛失、清掃不良に伴う虫歯・歯肉炎、計画どおりに進まない可能性などが挙げられます。詳細は 小児矯正のリスク・副作用と注意点 をご確認ください。

関連症例

  • 症例:開咬|小学生|MFT+拡大+アライナー(例:症例を見る

症例集をもっと見る

よくある質問(FAQ)

Q. 何歳ごろから相談すべき?

A. 習癖が関わることが多いため、3〜6歳6〜12歳の生え替わり期に一度ご相談ください。

Q. MFTだけで治ることはありますか?

A. 軽度で習癖主体の場合は改善に寄与しますが、拡大や歯の配列改善を併用することも多いです。いずれにしてもMFTだけでの改善を期待する場合は3~5歳での早期介入が必須となります。

Q. アライナーで開咬は対応できますか?

A. 原因と程度によります。Invisalign FirstInvisalign を用いるケースで効果的であることは確認できておりますが、ワイヤーで治す場合でも、アライナーで治す場合でも原因に対してのアプローチは必須となります。最適手段は診断後にご提案します。

Q. 再発はしますか?

A. 習癖への対応と保定が重要です。MFTやリテーナー管理を含め、再発リスクを下げる計画をご説明します。


予約 お問い合わせ アクセス についてのページ画像

ご予約・アクセス

Web予約に対応。初診の方はまず電話カウンセリングから。予約ページ・地図・アクセスはこちらからご確認いただけます。

料金表と当院の矯正治療について

料金表

歯並びのお悩みやご希望を丁寧に伺い、最適な治療プランとお見積りをご提示いたします。お気軽にご相談ください。

大田区田園調布の子供矯正歯科が手がける小児矯正症例のBefore and After写真

小児矯正症例のご紹介

当院で行った小児矯正の実例を掲載しています。大田区田園調布の子供専門だからこそ実現できる矯正治療をご覧ください。

透明マウスピースから拡大装置まで、当院で使用している矯正装置の写真

矯正装置・治療法

透明マウスピースから拡大装置まで、お子さま一人ひとりの成長に合わせたオーダーメイド治療をご紹介します。

年齢から探す専門情報 歯並びと顎の成長を解説 大田区田園調布の子供矯正歯科ならではの専門知識

年齢別の歯並びと顎の成長

0〜18歳までそれぞれの成長ステージに合わせた歯並び・顎の発育を解説。大田区の子供矯正専門ならではの視点で最適なケアをご案内。

スケッチブックに描かれたメリットとデメリット

小児矯正のリスクと注意点

小児矯正に伴う一般的なリスク・副作用等を説明します。適応や副作用には個人差があり、詳細は診察時にもご案内します。