「子供の不正咬合の割合は全体の60%以上と言われていますが、不正咬合になる子供が増えている理由・原因、子供によくある不正咬合の種類、治療法について解説していきます。」
みなさん、こんにちは!
東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「ABC Dental」の院長です。
現代の子供たちは昔に比べると、何かしらの不正咬合(歯並びが悪く、嚙み合わせの異常があること)の症状が見られるケースが増えています。
子供の不正咬合の割合は全体の60%以上と言われていますが、不正咬合になる子供が増えている原因、子供によくある不正咬合の種類、治療法について解説していきます。
▽先読み!この記事で分かること
・現代の子供は不正咬合が増えている
・子供に多くみられる不正咬合5つの種類
・原因は遺伝(先天的なもの)、日常の癖や習慣(後天的なもの)
・子供の不正咬合は早期発見と治療が大切
Table of Contents
ご質問:子供の不正咬合は全体の60%以上とは本当ですか?
ご質問をいただきました。
ご質問者様:7歳の娘さんのお母様
娘の歯並びについて質問です。
最近SNSやブログなどで、子供の歯並びが悪い割合は全体の60%という情報を知りました。
娘の歯並びはそこまで悪くはありませんが、全体の60%という数値が本当ならば、将来、悪くなる可能性があるかもしれないと思い、歯科医院に一度診てもらおうと考えています。
そこで歯医者さんに聞きたいのですが、子供の不正咬合は全体の60%以上とは本当ですか?
ご回答をお待ちしています。
回答:不正咬合の全体の割合は60%以上です
質問に回答します。
▽日本の子供の不正咬合とは?
「不正咬合(ふせいこうごう)」とは歯並びに問題があり、上下の歯が正常に嚙み合っていない状態のことをいいます。
子供に不正咬合の症状があると、歯並びが悪いといった見た目の問題だけではなく、食べ物をしっかりと噛むことができなかったり、歯の掃除がしにくいため、虫歯や歯肉炎の原因になります。
また、噛み合わせが悪いことで、肩こりや頭痛など、体の健康にも影響が出る可能性がありますので、子供の不正咬合の早期発見と原因を明らかにして、適切な治療が重要です。
▽日本の子供の不正咬合の割合
現代の日本の子供たちは昔に比べると、顎や顔が小さい傾向になっており、小さい顎に対して大きな歯が適切に収まらず、歯並びがズレてガタガタになる不正咬合の症例が増えています。
日本の子供の不正咬合の割合は厚生労働省が歯科疾患実態調査の一部として行っている「歯科疾患実態調査」に詳しいデータがありますので、そちらを参考に説明しましょう。
厚生労働省(旧厚生省を含む)は不正咬合の調査(歯科疾患実態調査)を昭和44年(1969年)から定期的に行っており、最新データの平成23年を例に見てみると対象年齢は12歳~20歳と幅広いですが、男女の前歯に不正咬合の症状が見られた割合は全体の割合は60%を超えています。
不正咬合には種類があり、例えば歯列がガタガタの歯並び(叢生)、出っ歯(上顎前突)、すきっ歯(空隙)などが挙げられますが、中でも叢生が最も多くなっています。
▽こどもの歯並びが将来悪くなる可能性はある?
不正咬合の全体の割合は60%以上というデータを見ても、子供の歯並びが将来、悪くなる可能性は十分にあるといえます。
歯列が乱れる原因は、幼少期からの指しゃぶりや舌の位置や動きの癖、口呼吸など、日常の習慣が原因となることもありますので、見つけたときにやめるように促すことも大切です。
子供の不正咬合とは?
不正咬合は上下の歯がきちんと噛み合っていない状態のことです。原因は患者様一人ひとりによって異なりますが、上顎と下顎の位置がズレていたり、歯並びの乱れなどがあります。
お子様に不正咬合の症状があるかどうかは、歯科医院でレントゲン検査などを受けることで、不正咬合の種類や原因、適切な治療法などの説明を受けることができます。
歯を支えている骨や顎のバランスが悪く、骨格に問題がある場合は、食べ物を噛みにくい、発音しにくいといった問題になるため、早期発見と治療が大切です。
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子供に多くみられる不正咬合5つの種類
ここからは、子供に多くみられる不正咬合5つの種類をご紹介します。
1)叢生(そうせい)
「叢生(そうせい)」とは、歯と歯が重なり合ったり、歯がねじれており、歯並びがデコボコの状態になっている症状です。叢生は乱杭歯ともいい、八重歯も叢生の一種です。
顎の骨が狭く、永久歯が適切な場所に生えるためのスペースが足りないために起きます。歯磨きが難しく、プラーク(歯垢)が溜まりやすいので、虫歯や歯周病の原因に繋がります。
2)上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯
「上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯」とは、上の前歯が強く前に傾斜していたり、上の歯全体が前に出ている状態のことをいいます。
骨格的な遺伝、顎の骨の発育バランス、幼少期の指しゃぶり、舌で前歯を押すクセなどが原因で起こり、前歯で食べ物を噛みにくく、発音不明瞭、顎関節症を引き起こすリスクがあります。
3)下顎前突(かがくぜんとつ)・受け口
「下顎前突(かがくぜんとつ)・受け口」とは下の前歯が強く前に傾斜していたり、下の歯列全体が前に出ている状態のことです。
下の顎が大きく上の顎が小さい骨格的な遺伝、顎の発育バランスのズレ、指しゃぶりや口呼吸など日常の癖などが原因となって起こり、下顎の骨は思春期にさらに顕著に成長するため要注意です。
4)開咬(かいこう)
「開咬(かいこう)」とは奥歯を噛み合わせたときに、前歯に隙間できていて、前歯が噛み合わない状態のことをいいます。
原因は骨格的な遺伝、長年の指しゃぶりの癖、舌の位置がズレている、口呼吸などが考えられ、前歯で噛めないために奥歯の負担が大きくなり、歯の寿命が短くなるリスクがあります。
5)空隙歯列(くうげきしれつ)・すきっ歯
「空隙歯列・すきっ歯」とは歯と歯の間に隙間がある状態の歯並びのことで、遺伝的な問題もしくは成長過程で起こるケースがあります。
永久歯に生え変わる成長段階で歯列に隙間ができるケースは問題がありませんが、生まれつき歯の本数が少ない、歯のサイズが小さい場合は歯科医院による適切な診断必要です。
子供が不正咬合になる主な2つの原因
現代の子供に不正咬合の症状が多くみられますが、その原因は大きく分けて2つあります。
一つは骨格的な遺伝(先天的なもの)、もう一つは日常の癖や習慣(後天的なもの)です。
1)骨格的な遺伝(先天的なもの)
ご両親から顎の骨の大きさ、歯の大きさが遺伝して、お子様の上下の顎骨の発育バランスに影響することがあります。結果的に、ご両親に歯並びが似てくる傾向にあります。
お子様の成長過程に小児矯正治療を受けることで、骨格的なバランスを正しい方向へ促し、口腔内の機能も改善し、歯並び・噛み合わせを改善することが可能です。
2)日常の癖や習慣(後天的なもの)
顎骨のバランスには問題がない場合でも、幼少期に指しゃぶりやおしゃぶりの癖が長かったり、口呼吸、舌で歯を押し出すといった悪い癖などが習慣化していると、不正咬合に繋がります。
乳歯が虫歯になって早く抜けてしまった場合も、永久歯がガタガタに生えてくる原因になりますので、定期的に歯科医院で検診を受けることが大切です。
▽歯並び悪化を予防する5つの対策法はコチラの記事をチェック!
今から実践!子供の歯並び悪化を予防する5つの対策法を歯科医がご紹介! – 子ども 歯の矯正(院長ブログ) (abcdental11.com)
子供の不正咬合の治療法について
では、子供が不正咬合の症状がある場合、どういった治療法があるのか見ていきましょう。
▽子供の不正咬合の治療法
・マウスピース矯正
・ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)
・フェイシャルマスク、ヘッドギアなど
矯正装置には様々な種類があり、一般的には取り外し可能なマウスピース型(インビザライン等)、ブラケットとワイヤーを使った固定式の装置、また夜だけの装着するフェイスマスクなどがあります。
上下の顎骨の成長バランスがズレていたり、骨格的に問題がある場合は、子供の体の成長段階に骨格を正しい方向へ修正する治療を受けることで、顎骨を広げることが可能です。
例えば、「上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯」の症状があり、骨格的に下顎が小さい場合は下顎の骨の成長を促進する装置を使って顎骨バランスを整えていきます。
小児矯正では、矯正装置を使った治療のほか、口腔筋機能療法と呼ばれるトレーニング(MFT)により、正しい舌の動かし方を覚える、正しい舌の位置に改善する、鼻呼吸にする訓練も並行して行います。
スポーツ部や吹奏楽部に所属しているお子様は矯正装置が大きな支障になることはなく、むしろ噛み合わせが改善されますので、パフォーマンスや運動能力向上にも繋がるでしょう。
歯科医院が検査・診断を行い、不正咬合の種類、症状の程度、口腔内の状態などを総合的に判断して適切な矯正方法を決めますので、まずは歯科医院に相談されることをおすすめします。
▽インビザライン(マウスピース矯正)とワイヤー矯正の違いはコチラをご参考に
【小児矯正】インビザラインとワイヤー矯正9つの違いを歯科医が解説! – 子ども 歯の矯正(院長ブログ) (abcdental11.com)
▽口腔筋機能療法と呼ばれるトレーニング(MFT)についてはコチラをチェック!
小児矯正の口腔筋機能療法(MFT)とは?目的と効果をご紹介 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ) (abcdental11.com)
子供の歯並びが気になったら「ABC Dental」までお気軽にご相談を
現代の子供たちは不正咬合の症状が増えていますが、歯科医院で早期発見をして適切な治療を受けることで、発育バランスを正しい方向へ促し、お口や呼吸の機能改善にも繋がります。
子供の不正咬合はまだ顎骨が柔らかく、コントロールしやすい早い年齢から治療を始めることが理想的ですので、5~7歳ぐらいに開始されると、1~2年程度でお口元が整えられます。
※不正咬合の種類や症状、程度によって異なります。
小児歯科・矯正歯科専門「ABC Dental」の歯並び相談ではお子様の歯並び、口腔内の状態、検査・診断させていただき、矯正治療の開始時期や治療装置などをご説明いたします。
まとめ
お子様の歯並びが気になる方は、お子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」にお越しいただき、小児矯正の無料カウンセリングをご利用くださいませ。
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