子供の歯列矯正 医療費控除 でいくら戻ってくる?徹底解説!

「比較的高額になりがちな治療費だからこそ、医療費控除を活用して、矯正治療の負担額を抑えると経済的に助かります。子供の矯正治療をご検討中の方へ、医療費控除の対象となる条件、いくら戻ってくるのか、手続き方法について歯科医が解説していきます。」

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「abc dental」の院長です。

いつもブログ・Instagram(@abcdental11)・Twitter(@abc_111_)を見ていただいてありがとうございます。

矯正治療は子供・大人に関わらず、基本的には自由診療となり、全額自己負担になりますが、医療費控除の手続きをすることで、支払総額が一定を超えた場合に一部が戻ってくるのをご存じですか?

比較的高額になりがちな治療費だからこそ、医療費控除を活用して、矯正治療の負担額を抑えると経済的に助かりますね。

今回は、子供の矯正治療をご検討中の方へ、医療費控除の対象となる条件、いくら戻ってくるのか、手続き方法について歯科医が解説していきますので、ぜひ、参考にしてみてください。

▽先読み!この記事で分かること

・子供の歯列矯正は医療費控除の対象

・医療費控除の上限は200万円

・確定申告を行った1か月~2か月後に戻ってくる

・医療費控除は節税対策になる

ご質問:子供の歯列矯正の医療費控除は実際にはいくら戻ってくる?

ご質問をいただきました。

ご質問者様:5歳の娘さんのお母様

子供の歯並びが気になっています。矯正治療を受けようと考えていますが、医療費控除をすると一部の医療費が戻ってくると聞きました。実際にどれくらい戻ってくるのでしょうか?

ざっくりとした計算でよいので具体的に教えていただきたいです。よろしくお願いします。

回答:所得や医療費の支払総額によって一部が戻ってきます

質問に回答します。

医療費控除とは、家計を共にする家族が支払った医療費の総額をその年の所得から差し引くことで、所得税を軽減することができる制度です。

子供の歯列矯正治療は基本的に自由診療になりますが、医療費控除を申請することで、所得と医療費支払い総額によって、税金(所得税と住民税)の一部が戻ってきます

医療費控除は所得税の計算方法に基づいており、その年に支払った医療費が一定額を超えた場合に適用されます。医療費控除の上限は200万円です。

例)年間所得:400万円

年間の医療費:200万円(そのうち歯列矯正費用は100万円)

医療費控除で戻ってくる金額:約33万円

歯列矯正の医療費控除で実際に戻ってくる金額は所得と医療費の支払い総額によってケースバイケースですが、家計の経済的支援になるため、ぜひとも活用されるとよいでしょう。

子供の歯列矯正治療は医療費控除の対象

子供の矯正歯科治療は、見た目を美しくする審美的な目的よりも、体の成長発育や口腔発育を適切に促すために、咬み合わせなどの問題を改善するケースがほとんどです。

そのため、ほとんどの症例において、子供の歯列矯正治療は「不正咬合が子供の成長に悪影響を与える」と判断される可能性が高いです。

歯科医による精密検査の結果、「不正咬合により咀嚼が困難である」、「歯並びが悪く発音がしにくい」、「顎骨の成長に異常が見られる」と判断された場合、医療費控除の対象になります

▽注意点

子供の矯正治療でも審美目的の場合は医療費控除の対象にはなりません。

医療費控除を申請するには、担当の歯科医に診断書を書いてもらい、確定申告の際に必要書類を提出することで、超過分の金額に対して医療費控除の対象となり、医療費が一部戻ってきます。

参照:No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例|国税庁

子供の歯列矯正治療で医療費控除の対象となるもの

子供の歯列矯正は自由診療によって高額になりがちですが、医療費控除の対象となりますので、戻ってくる金額を求める大まかな計算方法と手続き方法について押さえておきましょう。

適用対象の人は以下の通りです。

・1月から12月の1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合

・1年間の総所得金額が200万円未満の人は総所得金額等の5%の金額

▽子供の歯列矯正治療で医療費控除が適用されるもの

・歯列矯正の治療費

・レントゲンなどの検査費用、診断料

・矯正装置代、矯正処置料、調整料

・治療に必要な医薬品の代金

・通院費(バス代、電車代)

以下のものは適用外となりますのでご注意ください。

▽子供の歯列矯正治療で医療費控除が適用されないもの

・歯ブラシ、歯磨き粉、口腔衛生用品(※歯周病の治療の場合は適応可)

・通院時にかかった車のガソリン代

・タクシー代(公共交通機関が使えない場合は除く)

医療費控除の対象になるか分からない場合は、担当の歯科医に相談しましょう。

子供の歯列矯正|医療費控除の金額の算出方法

ここからは、医療費控除の金額の算出方法を解説します。

▽医療費控除で戻る金額を大まかに算出する方法

実際に戻ってくる金額 = 医療費控除額✖所得税率(5%~45%)

医療費控除額=(医療費の総額-保険金など補填される金額)-10万円または総所得金額の5%のどちらか少ない額

出典:国税庁「医療費控除を受ける方へ|令和4年分 確定申告特集」

家計を共にする家族がその年に支払った医療費を上記の計算式で割り出し、その金額を医療費控除として所得金額から差し引くことができます。

医療費は生計を一にする配偶者や子供の医療費を合算しますので、同一家計であれば一人暮らしや単身赴任をされている場合も医療費を合計して申告可能です。

課税される所得金額(1,000円未満の端数金額を切り捨てた後の金額)に対する所得税の金額は、次の「所得税の速算表」を参考にしてください。

出典:No.2260 所得税の税率|国税庁

歯列矯正治療の診断書なしでも医療費控除は受けられる?

矯正歯科医院の診断書がなくても、確定申告をすれば還付金を受け取ることは可能ですが、実際は税務署の担当者が判断するため、ケースバイケースです。

2021年(令和3年)から、医療控除を申請する際に「医療費控除の明細書」の添付が義務づけられましたので、税務署から提出を求められることがあります。

参照:No.1119医療費控除に関する手続について|国税庁

子供の歯列矯正治療で医療費控除はいつ戻ってくる?

医療費控除によって戻ってくるお金(還付金)は確定申告を行った1か月~2か月後に戻ってきます。預貯金口座への振り込みを指定すると還付金が指定口座に自動で振り込まれます。

子供の歯列矯正治療|医療費控除を受けるための手続き方法

子供の歯列矯正治療で医療費控除を受けるには、所得税の確定申告をする必要があります。

▽医療費控除の手続きに必要なもの

・領収書、レシート

・申告をする年の源泉徴収票

・診断書

・保険金で補填された金額がわかるもの

・デンタルローンやクレジットカードの分割の場合は、ローン会社の契約書の写しや信販会社の領収書

・マイナンバーカード(e-Tax申告時に必要)

・還付金の振込先口座

・印鑑

所得税の確定申告は毎年2月16日〜3月15日までに税務署に申告します。

医療費控除の対象範囲はその年の1月1日〜12月31日までに支払った医療費総額です。治療期間が2年以上かかった場合は、その年の1月1日〜12月31日に支払った金額を申請します。

デンタルローンで治療費を支払った場合、デンタルローン契約が成立した年の医療費控除が対象です。手続きの際ローン契約書の写し、もしくは「お客さま控」を保管しておきましょう。

確定申告は所轄の税務署で行います。確定申告書は税務署に直接取りに行く、もしくは郵送してもらう、以下の国税庁のホームページからダウンロードすることができます。

参照:【確定申告書等作成コーナー】-作成コーナートップ

確定申告書には医療費控除の欄に控除額を記入し、医療費の支払額を証明する領収書と一緒に提出します。管轄する税務署に直接持参もしくは郵送、電子申告(e-Tax)にて申告します。

子供の歯列矯正治療で医療費控除の申請を忘れたら?

医療費控除の申請を忘れてしまったり、知らなかった場合は過去5年間有効となりますので、5年前までさかのぼって医療費控除を受けることができます。

子供の歯列矯正のご相談は「abc dental」へお気軽にどうぞ

医療費控除の手続きは確定申告を自分で行う必要がありますが、治療費の一部が戻ってくることで節税になりますので、ぜひとも活用したい制度です。

子供の歯列矯正はほとんどの場合、治療目的として認められることが多く、医療費控除の対象となる可能性は高いです。領収書やレシートなどは大事に保管をしておきましょう。

大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」では、初回無料カウンセリングの際に医療費控除の対象となるものについて分かりやすくご説明いたします。

お子様の歯並びが気になる方は、ぜひお子様と一緒に小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」までどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

まとめ

子供の歯列矯正は医療費控除を利用することで、家計の自己負担を減らすことができ、安心して矯正を始めていただけます。医療費控除の対象になる方はぜひ活用しましょう。

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