子どもの「綺麗な歯並び」とは?小児歯科医が解説!!

歯磨きをする子どもたち

「子どもの 綺麗な歯並び と健康な口腔環境の重要性について、小児歯科医が解説します。理想的な歯並びの基準とメリットを紹介」

みなさん、こんにちは!
東京都大田区田園調布にある「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」の院長です。

歯の健康は、お子様の全体的な健康状態と直接関連しています。特に「綺麗な歯並び」には、ただ見た目が良いだけではなく、発音の明瞭さや咀嚼(そしゃく)能力の向上、さらには自信の源にもなり得ます。今回は、小児歯科医としての専門的な視点から、お子様の健康な笑顔をサポートするための情報をお伝えします。

理想的な歯並びの基準とは?

マルバツの札を上げる子供

理想的な歯並びや正しい咬み合わせには、きちんとした判定の基準があります。歯科医師はこれらの基準を参考にしながら、子どもの歯並びに問題がないかどうかを判断します。ここでは、綺麗な歯並びの判断基準について、なるべく専門用語を使わずにわかりやすく解説していきます。

1.歯の並び方

正常咬合
  • 歯の間隔がちょうどいいこと: 歯と歯の間に適切なスペースがあると、それぞれがきれいに並んでいると言えます。歯と歯がくっついて並んでいたり、歯と歯が重なったりする場合は不正咬合と判定されます。(特に、3〜5歳の乳歯の時期はすきっ歯ぐらいが正常咬合なので、要注意です)
上顎のアーチ
  • 歯列がきれいなカーブを描くこと: 歯列の並びが上や下から見たときに、きれいなカーブを描いていれば、良い歯並びのしるしです。歯が前に出すぎたり、引っ込んでいたりして凸凹になっていないか?等を歯科医師はチェックしています。

2.正中線が合っているか

正常咬合
  • 上下の歯の中心がきちんと合うこと: 上下の一番手前の前歯の中心がピッタリと合っていると、咬み合わせが良い状態です。もし合っていない場合は、左右のバランスを整えることが大切です。

3.正しい咬み合わせ

正常咬合_横
  • 咬み合うときの歯の位置: 正しく咬み合わせると、歯の列は上の歯列がやや外側になり、下の歯列を軽く覆うような感じになります。これが適切な咬み合わせの一例です。ここでは下の歯列が逆に上の歯列の外側になっていないか?などをチェックしています。
  • 安定した咬み合わせ: 口を閉じたときに、バランス良く噛む力の圧が分散され、食べ物を噛んだり、話したりしても不快感がなく安定している状態かどうか?をチェックします

4.側方と前方の咬むバランス

下顎を「前に動かす時」と「横に動かす時」の歯の動きがスムーズであることをチェックします。

臼歯部クロスバイト交叉咬合交差咬合
  • 横に動かす時: 口を横に動かすとき、前の歯と「犬歯」が適切に触れ合っているかどうかをチェックします。これらのあたりが強いと、奥歯に無理な力がかかり、歯に過度な摩耗やダメージを与えることに繋がります。
反対咬合_横
  • 前に動かす時: 下顎を前に出すときに、上下の前歯が適切にあたり、前方への動きがスムーズであるかどうか?をチェックします。これらは歯や顎への負担の量に関係します。

これらの判定基準は、口の中の健康を守り、快適な咬み合わせを維持するために重要です。適切な咬み合わせは、食事や会話をより楽しく、快適にするためにも役立ちます。

綺麗な歯並びのメリットとは?

室内で遊ぶ親子

美しい歯並びが持つ価値は、単に見た目の魅力だけに留まりません。実際には、健康や日常生活の質にも大きな影響を及ぼします。機能と見た目(審美)、この両方から見た美しい歯並びのメリットについて解説します。

機能的なメリット

顎関節症の予防:

適切に噛み合わせることで、顎関節にかかるストレスが減り、顎関節症のリスクを減少させます。顎関節症は、一度発症すると完治が困難な病気のため、注意が必要です。

歯の寿命を伸ばす:

歯が均等に負荷を受けることで、過度な摩耗を防ぎ、歯を長持ちさせることができます。逆に、歯並びが悪いと、歯が削れて磨耗しやすくなり、早い段階で歯を失い入れ歯となってしまうリスクを高めます。

見た目(審美)のメリット

美しい歯並びは見た目の印象を向上させるだけでなく、お子様の自信の向上にも寄与します。明るく健康的な笑顔は、ポジティブな第一印象を与え、人とのコミュニケーションをスムーズにします。

健康な歯茎の維持

歯茎のラインは歯の角度によって決まります。歯が傾いていたり、生えている位置が違えば、歯茎のラインは歪みます。逆に均等に歯が配置された歯並びの場合は、歯茎のラインが整うため、美しく綺麗な歯茎のラインとなります。

子どもの自信と笑顔

円陣を組む小学生

綺麗な歯並びは子どもの自信に直結します。きれいな笑顔でいられる子どもは、自己肯定感が高まり、新しい場所や人々にも積極的になれます。笑顔は、自分自身をより好きになる第一歩です。

コミュニケーションがスムーズに

笑顔はコミュニケーションのカギです。自然な笑顔の子どもは、他の人からも好印象を持たれやすく、友だち作りがスムーズになります。明るい笑顔は、どんな場面でもプラスのエネルギーを生み出します。

社交性と人間関係が良好に

笑顔を分かち合うことで、子どもたちはより多くの友達を作り、集団活動にも積極的に参加します。これにより、社会的スキルが自然に身につき、ポジティブな人間関係を築くことができます。

ソーシャルスキルの向上

綺麗な歯並びの子どもは、社会の中で自信を持って行動することが多く、ストレスを感じにくいです。この自信は、学校や地域社会でのさまざまな活動に積極的に参加する基盤となり、ソーシャルスキルの向上につながります。

綺麗な歯並びをつくる生活習慣

きれいな歯並びと健康な口腔を保つためには、バランスの取れた食事と良い生活習慣がとても大切です。歯並びを綺麗に保つための日々の習慣について、詳しく見ていきましょう。

栄養バランスの良い食事

カルシウムを豊富に含む食品の摂取

野菜大好きな子供 ママと一緒に料理をする子ども
  • 乳製品: 牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品は、カルシウムが豊富で、歯や骨の成長を強化します。
  • 緑黄色野菜: ブロッコリーや小松菜などの緑黄色野菜にもカルシウムが含まれており、乳製品が苦手な方にもおすすめです。

正しい姿勢と良好な生活習慣の維持

正しい姿勢の重要性

Child sits on a stack of children's fairy-tale books
  • 良い姿勢は歯並びにも影響: 食事時や読書時の正しい姿勢は、顎の正常な発達に役立ちます。背筋を伸ばし、顎を適切な位置に保つことで、歯並びに良い影響を与えます。

悪い習癖を避ける

  • 指しゃぶりや爪噛みはNG: 特に小さいころの指しゃぶりや爪を噛む癖は、歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。早めに気づいて、やめるようにしましょう。
  • 頬杖やお口ポカン、低位舌に注意: 頬杖をつく癖や、口を開けっぱなしにする「お口ポカン」、舌を下にしている「低位舌」も、思わぬところで歯並びを乱す原因に。普段のちょっとした癖に注意して、美しい歯並びを目指しましょう。

対処法:不正咬合が見つかったら

不正咬合が見つかった場合、以下のステップで対応します。

1. 専門家に相談する

親子とスーツ姿の女性の会話シーン

まず最初に、子どもの矯正を行なっている小児歯科医や矯正科医と相談することが重要です。専門家は、お子様の不正咬合の程度を評価し、最適な治療計画を提案してくれます。初期段階での介入は、抜歯や後戻りのリスクを減らし、痛み等も少なく治療することできるため、早めに相談することが推奨されます。

2. 早期対応

不正咬合の早期発見と対応は、治療の成功率を高めます。早期に問題を特定することで、より選択できる治療の幅が増えます。その結果、抜歯や外科的処置などを避けることが可能となります。お子様がまだ成長段階にある場合、成長を利用した矯正治療が可能であり、結果的に、お子様の治療の負担を軽減することができます。早期発見・早期対応は、最良の結果につながることが多いです。

最適なタイミング:

子どもの矯正治療には「最適な開始時期」があり、それはお子様のお口や顎の発育段階によって異なります。しかし、一般的なガイドラインとして、前歯の乳歯が永久歯に交換し始める5歳〜6歳の時期が、多くの症例において治療を開始する理想的な時期とされています。この時期に治療を開始することで、子どもの顎の成長を最大限に活用し、歯並びの問題を効果的に解決することが可能になります。(ただし、反対咬合など、症例によっては3歳からの開始が推奨されるケースもあるので、注意が必要です。)

なぜこの時期が重要なのか?:

前歯の乳歯が永久歯に交換し始める5歳〜6歳の時期は、子どもの顎の成長が最も活発に行われる時であり、矯正治療によって歯並びの問題をより効果的に、そして自然に解決することができます。特に乳歯から永久歯への交換期に矯正治療を行うことで、永久歯が正しい位置に生えるのを助け、将来的な歯並びの問題を未然に防ぐことができます。早期治療は、抜歯や外科的処置のリスクを減らすだけでなく、将来的により複雑でコストのかかる治療が必要になる可能性を減らすことにも繋がります。

早期発見と早期治療の開始は、お子様の健康な歯並びを確保するための最良の方法です。適切な時期に治療を開始することで、お子様は美しい笑顔と健康な口腔環境を手に入れることができます。

これらのステップを通じて、お子様が健康な歯並びを維持し、一生涯にわたって美しい笑顔を保つためのサポートを行うことができます。専門家のアドバイスに耳を傾け、日々の生活習慣に注意を払うことが、お子様の口腔健康にとって最良の方法です。
最後に、綺麗な歯並びを維持していくための生活習慣について解説します。

まとめ

子どもの綺麗な歯並びを守るためには、日々の生活習慣や食生活が非常に重要です。理想的な歯並びは、見た目の美しさだけではなく、お子様の健康やコミュニケーション能力にも大きく寄与します。不正咬合が見つかった場合には、専門家に相談し、早期対応を取ることが大切です。また、悪い習慣を避け、正しい食生活や姿勢を心がけることも、健康な歯並びを維持するためには欠かせません。

小児歯科医として、私たちの願いは、全ての子どもたちが健康で自信に満ちた笑顔を持ち続けることです。そのためにも、親御さんがお子様の口腔健康に気を配り、適切な対策を講じることが重要です。子どもたちが美しい歯並びと健康な口腔環境を手に入れられるよう、我々専門家も全力でサポートしていきます。

最後に、
このブログが、お子様の美しい歯並びを目指すお手伝いができれば幸いです。歯並びの問題に関してご不安やご質問があれば、いつでもご相談ください。お子様の輝く笑顔のために、一緒に最適なケアを見つけましょう。

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