子どもの顎が小さいと感じたら?親がすべき3つのステップ


母親 子育て

「子どもの顎が小さい という問題について、歯並びの問題について専門家が解説。大田区にある子ども専門の歯科医院が情報提供しています。」

みなさん、こんにちは!
東京都大田区田園調布にある「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」の院長です。

最近、こんなご質問をいただきました。


ご質問者様:4歳と5歳の娘さんのお母様
「歯科検診で子どもの顎が小さいと言われたんですが・・・」


こういった顎の小ささに関する相談を受けることが増えてきたように思います。

「顎が小さい」というのは「顎の発達発育不足」となっている状態であり、
これを放置すると今後の歯並びに大きく影響してしまいます。

年間1000人以上の子ども達の歯並びを診ている小児専門の歯科医師が、今回は、「子どもの顎が小さい」というテーマで、専門的な視点から今後の問題点や具体的なアドバイスまで、わかりやすくお伝えしたいと思います。

▽先読み!この記事で分かること

  1. 「子どもの顎が小さい」とは?
  2. 小さい顎が問題となる理由
  3. 親がとるべき3つのステップ

小さい顎とは何か?

「子どもの顎が小さい」というのは、いわゆる顎の成長不足のことです。

これを放置すると、将来的には上下の歯並びがガタガタになってしまったり、顎が小さいことによる出っ歯(上の前歯が出ている状態)になってしまう危険性があります。

「上の歯が出てる」「下の顎が出てる」ように見えるのであれば、顎が小さい可能性が高いです。

特に歯が大きくて、顎が小さい場合は、より早期の対応が必須となってきます。

将来ワイヤー矯正することとなってしまうリスクを減らすためにも、「顎が小さい問題」は早期発見、早期対応がとても大切です。

なぜ小さい顎は問題なのか?

小さい顎は、見た目の問題だけでなく、お子様の健康や日常生活に影響を及ぼす可能性があります。

以下に、その具体的な問題と将来的なリスクについて詳しく説明します。

機能的な問題

1. 発音の困難:

小さい顎は、お口の中のスペース不足により発音の影響を及ぼすことがあります。
特定の音を発する際に舌や唇が適切な位置を取りにくくなるため、明瞭な発音が難しくなることがあります。これは、お子様のコミュニケーション能力に影響を及ぼす可能性があります。

2. 食事時の問題:

食事をする園児

顎が小さいと、食事の咀嚼(そしゃく)効率が低下することがあります。適切な咬み合わせでないと、食べ物を十分にかみ砕くことが難しくなり、消化不良や栄養吸収の問題につながることがあります。

3. 虫歯のリスク:

小さい顎の場合、歯が密に並ぶことで、歯磨きが難しくなり、歯垢や歯石の蓄積が増えることになります。このような状況は、虫歯や歯周病のリスクを高めます。また、顎の小ささが一部の歯に過度な負担をかけるため、歯が欠けたり、削れたりなどの可能性も出てきます。

将来のリスク

歯が痛い若い女性

1. 顎関節症:

顎の小ささは、顎関節に負担をかけることがあり、これが顎関節症のリスクを高めます。顎関節症は、顎の痛みから始まり、最終的には顎を開くことができなくなるため、注意が必要です。

2. 頭痛:

不正咬合や顎の問題は、頭痛の原因となることがあります。特に、咬む際に生じるストレスが頭痛となって現れることがあります。これは、学業や日常生活に影響を及ぼします。

3. 見た目の問題:

小さい顎は、顔のバランスに影響を与え、見た目の問題を引き起こす可能性があります。
例えば、下顎の発達が不十分な場合、上の歯が出っぱって見えてしまうかもしれません。
これは、特に横から顔を見たときに顕著にわかります。

また、小さい顎は、見た目のバランスの悪さにより、自己意識や自尊心の問題につながることがあり、特に成長期の子どもには心理的な影響を及ぼすこともありえます。

顎が小さい原因について

1. 遺伝と発育

顎のサイズや形状は、両親や祖父母からの遺伝的な影響を受けます。

家族に歯並びがデコボコな人がいる場合や、生後早期の成長がスムーズでない場合は、歯医者さんでの早期チェックは重要です。

2. 現代の食生活習慣の変化

昔と比べ、現代の食生活は柔らかい食事が多くなっています。この変化は、顎の筋肉や骨の発達に必要な刺激を減少させ、顎の小ささに影響を与える可能性があります。

また、姿勢の悪さや指しゃぶり等の癖なども、顎の発育に大きく影響します。

親がすべき3つのステップ

STEP

1. 専門家に相談する

子ども専門の小児歯科医に相談する: 子どもの顎の成長について専門家に相談することが最初のステップです。顎の発育不全は早期に発見することが重要であり、適切な対処方法をとるためには、専門家による診断が必要です。

早期に適切な対処を行うことで、お子様の顎の成長を促進し、歯並びを整えることができます。

個人差はありますが、可能であれば上下の前歯が生えてくる頃もしくはそれより前には何らかの対応を開始できるとベストです。
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2. 健康的な生活習慣を促す

バランスの取れた食事を提供する:

栄養豊富な食事は、子どもの全体的な健康と顎の正常な成長に不可欠です。よく噛む必要がある食品を適度に取り入れることで、顎の筋肉を鍛え、適切な成長を促すことができます。

適切な姿勢で過ごす

正しい姿勢を保つことは、顎の成長にも大きく影響を与えます。長時間のスマートフォンやコンピュータの使用による前傾姿勢は避け、子どもが背筋を伸ばして座るように促しましょう。良い姿勢は、顎の位置を適切に保ち、正しい顎の成長と良い歯並びの形成を促します。

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3. 必要に応じて矯正治療

日本人の子供の歯列矯正の写真

矯正治療の検討: 小児歯科医の診断に基づき、顎の成長を促すための矯正治療が必要かどうかを検討します。早期治療によって、顎の成長を正しい方向に導き、将来的な複雑な治療の必要性を減らすことが可能になります。

例えば、乳歯から永久歯への移行期の矯正治療は、「顎が小さい歯並び」に対して最適なことが多いです。(5歳〜6歳前後)

この時期に行う矯正治療は、顎の骨がまだ成長しているため、顎の成長が正しい方向に向かうようアプローチすることで、より効果的に矯正治療が行えます。

症例の重症度によっては3歳からの治療が推奨されるケースもあるため、歯並びの検査だけは早めに歯科医院で受けておくことをおすすめします

矯正治療には多様な方法があり、可能な範囲で、お子様の状況に合わせて治療計画がカスタマイズされることが望ましいです。

低年齢からの矯正開始の場合は、固定式のワイヤー矯正よりも、取り外し可能な矯正装置による、正しい成長を促す矯正治療方法などが選択されることが多いです。

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まとめ

様々な原因

子どもの顎の小ささは、遺伝的要因、生活習慣、栄養摂取など多岐にわたる要因によって引き起こされます。

顎の小ささは、見た目の問題だけでなく、歯並びや噛み合わせの問題も引き起こし、お子様の口腔機能、発音、さらには全体的な健康にも影響を及ぼす可能性があります。

早期治療の重要性

適切な時期に矯正治療を行うことは、お子様の顎の発達にとって非常に重要です。

早期の矯正治療は、顎の成長を促進し、歯並びを整えることで、お子様の自信と健康をサポートします。

当院での矯正治療では、お子様一人ひとりの状態に合わせて治療計画をカスタマイズし、最も効果的な結果をもたらすよう日々試行錯誤を行っています。

治療方法は、取り外しタイプの装置をメインに、保護者も含めたお子様の具体的なニーズに応じて適宜修正していきます。

お気軽にご相談ください

大田区田園調布のABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科

お子様の笑顔を守るために

お子様の健康な笑顔は、私たちにとって何よりも大切です。そのためには、歯科検診を定期的に受けること、日々の口腔ケアをしっかりと行うこと、そして矯正治療についての知識を持つことが重要です。

もしご質問やお悩みがありましたら、いつでもお声がけください。小児矯正専門医として、私の経験を活かし、お子様の健やかな成長をサポートさせていただきたいと思います。