子供の姿勢と歯並びの関係について小児歯科医が解説!背中が丸い姿勢が与える影響

「子供の姿勢が歯並びに与える影響について解説。背中が丸い姿勢が歯並びに及ぼす影響や、姿勢改善の重要性、定期的な歯科検診の大切さを紹介します。」

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「abc dental」の院長です。

いつもブログ・Instagram(@abcdental11)・X(@abc_111_)を見ていただいてありがとうございます。

今回のテーマは「子供の姿勢と歯並びの関係」についてお話します。

普段の生活において、子供がテレビを見ている時に背中が丸くなっていたり、食事の時に足がブラブラ浮いていると、姿勢が悪い習慣によって顎の発達・成長を妨げてしまいます

姿勢が悪い習慣は、結果的に、子供の顔つきや顔の形、歯並びに影響を及ぼす可能性がありますので、幼少期のうちに正しい姿勢を身に付けておくことが大切です。

では早速、子供が食事や勉強中によくする悪い姿勢をチェックし、正しい姿勢に改善する対策法について学んでいきましょう。

▽先読み!この記事で分かること

  • 背中が丸い姿勢は歯並びに影響する
  • 顎の成長は3歳~9歳の間の姿勢が重要
  • 歯並びが悪くなるとデメリットが多い
  • 定期的な歯科検診が大切

ご質問:背中が丸い姿勢は歯並びに影響するの?

ご質問をいただきました。

ご質問者様:7歳の息子さんのお母様

子供の姿勢と歯並びの関係について相談があります。

私と夫は特に歯並びが悪くないのですが、息子には八重歯があり、歯列がガタガタしている叢生という症状があります。

子供の歯並びが悪くなる原因は親からの遺伝だけではなく、日頃の姿勢や食事の仕方も影響すると聞きました。息子は背中がいつも丸まっているので、そのせいかな?と思っています。

背中が丸い姿勢をしていると、歯並びが悪くなりますか?ご回答お待ちしています。

回答:子供の姿勢は歯並びに影響を与えます

質問に回答します。

子供の姿勢と歯並びは関係があります。

3歳~9歳の間に背中が丸まっている姿勢を取り続けていると、顎が適切な方向へ成長・発達するのを妨げてしまうため、顎が歪んで成長し、歯並びに悪影響を及ぼします

特に食事をする時や勉強机に座っている時に姿勢が悪い場合、無意識のうちに習慣になってしまい、将来の歯並びだけでなく、顔の形や顔貌にも影響を与えてしまうので要注意です。

近年は、食生活の変化やスマホ・ゲーム機器の普及によって、背中が丸くなっていたり、姿勢が悪い子供が多くなっている傾向にあります。

息子さんの歯がガタガタになってしまった原因は、顎の成長・発達が不十分なために、歯列がきれいに並ぶスペースが足りず、歯が重ねて生えてきてしまった可能性があります。

食事の際には適度に硬いものを取り入れて、よく噛んで咀嚼回数を増やし、姿勢は背筋を延ばして、足はしっかり台や床に付いた状態を意識するとよいでしょう。

しっかりとものを噛んで、姿勢を良くすることは子供の顎の適切な発育・成長を促し、口内に歯がきれいに並ぶための十分なスペースを確保できるため、歯並びに良い影響を与えます。

▽子供は親の飲み込み方を真似をするについてはコチラ!

子供は親の飲み込み方を真似する!歯並びへの影響を解説 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

子供の姿勢と歯並びの関係

子供の歯並びはご両親からの遺伝と思われている方も多くいますが、遺伝的要因が100%決めているのではなく、生まれた後の姿勢や呼吸法など、後天的な要因も大きな影響を与えます。

幼少期にしっかりとものを噛むことで、お口周りや舌の筋肉が十分に発達し、咀嚼運動の刺激が顎の骨に加わって、顎の成長を適切に促すことができます。

しかし、姿勢が崩れるとしっかりものを噛むことができないため、顎骨が十分に発達せず、顎の形の変形を引き起こして、歯並びが乱れる原因となるので注意が必要です。

上下の顎がバランスよく十分に発達せず、永久歯に生え変わった時に十分なスペースが足りないため、デコボコの歯列になったり、受け口や出っ歯などになりやすいといえます。

子供が将来きれいな歯並びを育てるためにも、今のうちから歯並びに影響を与える姿勢について見直していきましょう。

▽スマホと子供の受け口についてはコチラ!

子供がスマホを見過ぎると受け口になるの?スマホと歯並びの関係について歯科医が解説 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

子供のこんな姿勢には要注意!

子供が以下のような姿勢をしていたら、歯並びにも影響を与える可能性がありますので、早めに改善が必要です。

▽普段の姿勢

  • 真っすぐ立つと、左右どちらかの肩が下がっている
  • 体の重心が左右どちらかに傾いている
  • 肩こり、腰痛、頭痛がある

▽テレビやゲームをしている時の姿勢

  • テレビを見ている時に背中が丸まっている
  • ゲームやスマホを見るときに背中が丸まっている
  • 寝転がりながらゲームをしている

▽食事をしている時の姿勢

  • 背筋が左右のどちらかに傾いている
  • 椅子から足をぶらぶらしている
  • 首をひねる、後ろを振り向く

▽食事中のテレビ視聴についてはコチラ!

食事中のテレビ視聴が子供の歯並びに与える3つの影響と対策法を小児歯科医が解説 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

▽勉強している時の姿勢

  • 猫背になっている
  • 頬杖をつく癖がある
  • 長い時間座っていられない

いかがでしたか?

一つでも上記の様子が見られる場合、顎に負担がかかって顎の成長バランスが悪くなり、歯並びが乱れる原因になりますので、姿勢の改善と身体のバランスの見直しが必要です。

▽子供の口腔育成についてはコチラ!

お口のターニングポイントは3歳!口腔育成は生涯におけるお口の健康に影響を及ぼす – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

食事の姿勢を見直しましょう

子供の歯並びが悪くなる原因の一つに、食事中の姿勢が悪いことが挙げられます。

①両足の裏が台・床に付いている

よくあるケースでは、自宅のテーブルの前で大人と同じ椅子に子供を座らせて、足をブラブラさせていながら食べていることが多いようです。

大人と同じ椅子に座らせると、高さが合っていないので足がぶらぶらした状態になり、姿勢が不安定になりますので、噛む力も弱まってしまい、顎の発達が不十分になります。

食事中の椅子は両足がしっかり台(もしくは床)に付いているのが理想です。適切な高さの椅子を用意するか、足置き(ステップ台)を調整できる椅子を選び、足元を固定させましょう。

②背筋をまっすぐ伸ばす

テレビを見ながら食事をしている家庭では、子供の椅子の場所によっては、テレビ画面の方向に首をひねったり、後ろを振り向くことがあり、左右の顎のバランスが崩れることがあります。

背筋が左右のどちらかに傾いて、横を向いたまま食べていると、左右の歯で均等に噛むことができず、顎のバランスが悪くなって噛み合わせが悪くなる原因となります。

食事のときの姿勢は子供の顎の成長・発育に影響しますので、歯がきれいに並ぶための土台を作るためにも、食事中はテレビを消して、背筋を正して食事をするように心がけましょう

勉強中の姿勢を見直しましょう

机に座って勉強中、頬杖を付く癖があるお子様は意外と多いです。

頬杖をつく癖は手で顎を押し続けている状態になり、顎の骨が歪んだまま成長したり、手が当たっている部分の歯が舌に当たって、歯列が悪くなる原因となるため改善が必要です。

そして、勉強中も背筋がまっすぐと伸びていることが大事です。体の重心が左右のどちらかに傾いていると顎の成長に悪影響がありますので、背筋はまっすぐ伸ばすようにしましょう。

勉強机と椅子は子供の体に合ったものが望ましく、足がしっかりと付くようにすることが大切です。成長期に合わせやすいように座板の高さや奥行きを調整できるタイプがおすすめです。

寝ている時の姿勢を見直しましょう

寝ている時の姿勢は無意識のうちに習慣になります。例えば、いつも「うつぶせ寝」や「横向き寝」など決まった方向で寝ていると力が加わる部分が固定され、顎が歪む原因となります。

寝ている間の力は微量であっても、毎日続けていると確実に骨の形が変わったり、歯が動いたりしますので、寝るときの姿勢は「仰向け」が最も理想的です。

子どもの姿勢が悪い・歯並びが悪くなる4つのデメリット

子供の姿勢が悪い状態を放置して、歯並びが悪くなると、見た目の問題だけでなく、口腔内環境や体にも悪影響がありますので注意が必要です。

①食事が難しくなる

子供の姿勢が悪いために噛み合わせと歯並びが悪くなった場合、食べ物を前歯で噛み切ったり、奥歯でしっかりすり潰して飲み込むという一連の食事の動作が難しくなります。

咀嚼が難しくなると、食べ物を細かくできないまま飲み込んでしまい、消化不良の原因にもなるため、早めに噛み合わせと歯並びを改善することが大事です。

②発音が難しくなる

歯と歯の間にすき間があって空気が漏れたり、舌の位置が正常な場所に収まっていない場合は発音に支障をきたし、舌っ足らずになったり、サ行の滑舌が悪くなることがあります。

学校では音読したり、人前で文章を読む機会も増えますので、滑舌が悪いと本人が悩むことになりかねません。なるべく早めに噛み合わせと歯並びを改善する必要があります。

③虫歯・歯肉炎リスク

歯並びが悪くなると、ブラッシングだけでは歯の掃除が難しくなり、虫歯、歯肉炎、将来的には歯周病のリスクが高くなるため注意が必要です。

正常な噛み合わせときれいな歯並びは、口を自然に閉じることができますので、口腔内で唾液の自浄作用が正常に働いていて、口腔内環境を清潔な状態に維持することができます。

④体へ負荷がかかる

姿勢が悪いと左右の顎バランスが崩れるため、体の歪みや全身への負荷を引き起こし、慢性的な首・肩の凝り、痛み、顎関節症リスクの原因になることもあります。

きれいな歯並びと体の健康のためにも、十分に顎が成長するように、子供の日頃の姿勢には十分に気を付けて、姿勢の悪さが習慣にならないように保護者のサポートも重要です。

定期的な歯科検診が大切です

子供の歯並びが気になる方は、まずは歯科医院に歯並びをチェックしてもらうことをおすすめします。

歯科検診では、歯科医師・歯科衛生士が子供の口腔内を診ながら、虫歯や歯肉炎はないか、噛み合わせや歯並びのチェックを行います。

定期的に歯科医院に通ってお口をチェックしてもらうことで、子供は歯医者に慣れることができ、お口を清潔に保つ重要性を理解できるようになります。

現在の口腔内環境だけでなく、将来のリスク予測・回避にも繋がりますので、定期的に歯科検診を受けましょう。

▽子供の受け口・早期治療が必要な理由はコチラ

子供の反対咬合(下顎前突症)は自然に治らない?早期治療が大事な症状とは? – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

子供の歯並びご相談は「abc dental」へお気軽にどうぞ

子供のうちに正しい姿勢を身に付けておくと、顎の成長がバランスよく発達し、見た目が美しくなるだけでなく、正常な噛み合わせやきれいな歯並び、理想的な顔つきの土台になります。

一度歯並びが悪くなってしまうと自然に改善されることはなく、症状が重度になると矯正の治療期間と費用が大きくなりますので、適切な時期に矯正治療を開始することが大切です。

大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」では初回無料の歯並び相談を行っており、子供の負担を最小限に抑えた矯正治療の内容を説明いたしております。

お子様の歯並びが気になる方は、当院の小児矯正の無料カウンセリング、LINE相談をご利用くださいませ。

▽子供の叢生のマウスピース治療についてコチラ!

【小児矯正】子供の叢生|インビザライン(マウスピース矯正)の症例をご紹介 – 子ども 歯の矯正(院長ブログ)

まとめ

子供の健康的な成長と整った歯並び、自然で美しい顔の形を育成するためにも、背中が丸い姿勢は避けて、早いうちから良い姿勢を維持することが重要です。

東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。