6歳で前歯が生えてこなくても過度に心配する必要はありませんが、9歳以降になると、顎の成長のスピード不足が考えられますので、歯科医師に相談することが大切です。6歳になっても子どもの前歯が生えてこない原因と対処法を解説
子供が5歳くらいになると、周りのお友達の前歯が抜けたり、歯が生え変わったり…といった『永久歯が生えるタイミング』についてよく話題になりますよね。
「自分の子供は6歳になったけど、まだグラグラしてないし、歯がちゃんと生えてくるかなぁ…」とご心配な保護者の方も多いかもしれません。
多くの場合、6歳で前歯が生えてこなくても過度に心配する必要はありませんが、顎の成長のスピード不足が考えられますので、歯科医師に相談することが大切です。
本記事では、6歳になっても子どもの前歯が生えてこない原因と対処法について歯科医師の立場から解説します。ぜひ参考にしてみてください。
▽先読み!この記事で分かること
- 子供の歯の発育は個人差が大きい
- 一般的に永久歯に生える時期は5歳~9歳
- 顎の成長が不十分の可能性
- 9歳以降は早めに歯科医師に相談を
ご質問:6歳の子供の前歯が生えてきません…心配ですが大丈夫ですか?
ご質問をいただきました。
ご質問者様:6歳の息子さんのお母様
息子は6歳になりましたが、まだ前歯が生えてきません。歯のグラつきもなく、生え変わる様子もありません。
同じ年の周りの子供たちは歯が抜けたり生え変わったりしているので、何か異常がないか心配です。ご意見とアドバイスをいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
回答:子供の歯の発育は個人差が大きい
質問に回答します。
6歳のお子様の前歯が生えてこないことで、ご心配とのことですね。
結論から申し上げますと、『歯の発育』は個人差によるものが大きいです。
同じ年齢でも子供一人ひとりによって体の大きさや身長、体重など、それぞれ異なるのと同じように、子供の歯の成長も一人ひとり個人差があります。
一般的に永久歯に生える時期は5歳~9歳までに多く見られ、前歯においては7歳頃から永久歯に生え変わっていくことが多いです。
あくまでも一般的な年齢なので、早い子は5歳くらいから生え変わることもあり、遅い子は9歳になる場合もあり、子供一人ひとりによって異なります。
したがって、6歳でまだ前歯が出てこないと不安になるかもしれませんが、多くの場合、心配する必要はありません。
目安としては7歳を過ぎても前歯が生えてこない場合は、顎の成長スピードの不足が考えられますので、何か気になる症状がある場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
一般的に永久歯が生えるタイミングは?
子供の可愛らしい乳歯が抜けると、大人の歯(永久歯)が生えてきますが、歯の生えるタイミングには子供一人ひとりによって違いがあります。
一般的には5歳~9歳までに生え変わりが始まり、前歯においては7歳頃から永久歯に生え変わっていくことが多いです。
歯の生えるタイミングに影響する3つの要素
子供の歯の発育は個人差によるものが大きいです。子供の健康状態や栄養状態、成長発育状態などによって、歯の生えるタイミングに影響します。
①遺伝の影響
歯の発育は遺伝の影響を受けます。歯の大きさ・本数は、顎の大きさに合わせて遺伝子によって決定されます。 両親のどちらかが歯並びが悪い場合、子供も歯並びが悪くなる可能性が高くなります。
②栄養不足
偏った食生活を続けていると、歯の生えるスピードに影響を与え、歯の発育が遅れる可能性があります。歯の発育にカルシウムやビタミンDなどの栄養は欠かせません。
普段の食事に歯の発育に重要なカルシウム、ビタミンD、リンなどの栄養素を多く含む牛乳、乳製品、小魚、卵黄などをバランスよく取り入れましょう。
③顎の成長・発育が遅れている
子供の前歯がなかなか生えてこない原因の一つに顎の成長が遅れていることが挙げられます。顎の成長が十分でない場合、お口の中で歯がきちんと生えるためのスペースが足りなくなり、歯の発育が遅れることがあり、歯並びが悪くなる可能性も高いです。
定期的な歯科医の診断で顎の発育状況を把握して、適切な対策を取ることが重要です。
6歳の前歯が生えてこない原因は?
一般的に、5歳~9歳までの生え変わりは個人差の範囲内と考えられますので、6歳の時点前歯が生えてこなくても問題はありませんので、お子さんの歯の発育を適切に見守りましょう。
同じ年齢のお友達は前歯が生え変わったのに、うちの子はなぜ遅いの?と不安になるかもしれませんが、6歳になっても前歯が生えない原因は多くの場合、個人差によるものです。
歯の発育には個人差が大きく、早い子では5歳で生え始める子もいまが、遅い子は9歳から生え始めることもあり、タイミングはそれぞれ違いますが早い・遅いに問題はありません。
7歳・8歳・9歳になっても前歯が生えてこない場合は?
お子様が7歳・8歳・9歳になっても前歯が生えてこない場合は、顎の成長スピードが不足している、もしくは全体的に体の成長が遅れている可能性があります。
現代の子供たちは食事や遊びなどで顎を鍛える機会が少なくなっている傾向にあり、顎の成長が不十分になるケースが増えているのです。
また、歯の発育には食事からカルシウムやビタミンDなどの栄養を摂取することが不可欠ですが、栄養が偏っていると、歯の発育が遅れることがあります。
顎の成長が不十分になると、歯の生えるタイミングにも影響を及ぼすことがあり、永久歯がきれいに並ぶスペースが足りなくなって歯並びにも影響が出ることがあるので注意が必要です。
子供の歯の生え変わりで専門家に相談するべきケース
子供の歯の生え変わるタイミング、歯の発育に関しては個人差が大きいので過度に心配する必要はありませんが、以下の症状がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
▽専門家に相談するべきケース
- 7歳を過ぎても前歯が生えてこない
- 他の永久歯は生えてきたが、特定の歯だけが顕著に遅れている
- 歯茎に腫れや痛みがある
7歳になっても前歯が生えてこない場合は、顎の成長スピードの不足、栄養状態、健康状態の異常などが考えられます。
特に慢性的な病気や骨や歯の形成に関わる病気を持っている場合は、歯の生えるスピードに影響を及ぼす可能性がありますので、専門家のアドバイスを受けてください。
歯茎に腫れや痛みがある場合は、歯の病気や感染症の可能性がありますので、このような症状がある場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
顎の成長・発達が不十分だと歯並びが悪くなるの?
顎の成長・発達が不十分だと、歯並びが悪くなる可能性が高いです。
歯は顎の骨の上に並んでいますので、顎の骨が十分に成長しないと歯が生えるためのスペースが足りなくなり、歯が重なり合って生えてきて、歯並びが悪くなることがあります。
顎の骨が十分に成長しないと、歯が正しい位置に生えにくくなり、歯が斜めになったり、前に出すぎたり、後ろに引っ込んだりする歯並びになるかもしれません。
歯並びが悪いと、見た目が悪いだけでなく、噛み合わせが悪くなることで、咀嚼や発音に影響が出ることもあり、将来は歯周病や虫歯のリスクが高まるとも言われています。
子供の歯の矯正は早期治療が大事な3つの理由
子供の歯の矯正における早期治療の重要性は、以下の3つの理由があります。
①原因の根本から歯並び改善できる
歯の生え変わり時期に矯正治療をすることで、顎の成長を適切な方向へコントロールし、十分に発達を促して、顎に十分なスペースを作ることができます。
歯並びが悪い状態が長く続くと、大人になった時に歯根が変形したり、骨格が歪むことがありますが、体の成長過程にある子供の時に矯正を行うと根本原因にアプローチできるのです。
②体への負担が少ない
小児矯正は痛みや違和感が比較的少なく、適応しやすい特徴があります。子供の骨は成長段階にあるので柔らかく、歯の移動や顎の形成を効果的に行うことが可能です。
③子供の自尊心や自信を向上させる
小児矯正は心理的な要因も大きなメリットです。年齢が早い段階で歯並びを改善することで、見た目が良くなり、子供の自尊心や自信を向上させることができます。
よくある質問(FAQ):6歳の前歯がなかなか生え変わらない
「もう少し待って大丈夫?」から「今すぐ相談した方がよい?」まで、保護者の方からよくいただく質問をまとめました。スマホの方は各項目の「回答を見る」をタップしてください。
Q1. 6歳で前歯が生え変わらないのは普通? 何歳まで様子を見られますか?
生え変わりの時期には個人差があります。6〜7歳で上の前歯が動き始めることが多いですが、8歳を過ぎても変化がない・左右差が大きい・歯ぐきが腫れる/膨らむなどがあれば、一度ご相談ください。
ご家庭での見守りポイントは「グラつきの有無」「歯ぐきの色や膨らみ」「痛みの有無」です。乳歯生え変わり完全ガイドも参考になります。
初診の進め方ははじめての方へ|初診の流れをご覧ください。
Q2. 乳歯がぐらぐらしないのに、永久歯が裏から見えてきました(二重歯列)。どうしたらいい?
下の前歯で起こりやすい「二重歯列」は、乳歯の自然脱落が遅れていることが多いです。状況により乳歯の抜歯や、スペースを確保する対応を検討します。放置すると清掃不良や歯列不正につながることも。
詳しくは子供の二重歯列(二枚歯)とは?をご覧いただき、受診は初診の流れへ。
Q3. 上の前歯がなかなか出てこない/歯ぐきだけ膨らむ…考えられる原因は?
原因は複数あります。
例)乳歯の根が残っている・歯の向き(逆生/埋伏)・萌出スペース不足・歯ぐきや骨の抵抗、まれに過剰歯など。
レントゲン等の検査で判断します。検査〜説明の流れは初診の流れをご確認ください。
Q4. 乳歯が「癒合歯」でした/永久歯が小さめ(矮小歯)かも。生え変わりに影響しますか?
はい、影響することがあります。
癒合歯は根の形が通常と異なり、脱落タイミングや後継永久歯の位置・形に影響し得ます。矮小歯はスペースや見た目の課題が出ることも。まずは状態把握が大切です。
Q5. 乳歯をぶつけた(転倒など)既往があります。永久歯への影響は?
乳歯の外傷は、後継の永久歯の方向・形・色調に影響することがあります。
生え変わりが遅い・方向が気になるときは受診を。
Q6. すきっ歯になってきました。放っておいて大丈夫ですか?
前歯の生え変わり期には一時的な「すきっ歯(アグリーダッキング)」が見られることがあります。
ただし隙間が大きい・長く続く・発音や見た目が気になる場合はご相談ください。
Q7. 永久歯が足りない(先天性欠如)かも…見分け方と受診の目安は?
前歯の萌出が遅い・片側だけ生えない・家族に欠如がある等はサインです。
レントゲンで確認し、歯列計画(スペース管理や将来の補綴方針)を早めに検討します。
Q8. 家でできる「見守り・予防」は?(口呼吸・舌の位置・飲み込み)
生え変わり期は口呼吸・低位舌・誤った嚥下が歯並びに影響しやすい時期です。口唇閉鎖・舌尖の位置・咀嚼回数を意識しましょう。
ご家庭ではお口ポカンの原因と対策・舌トレーニング・正しい飲み込み方が役立ちます。
Q9. どんな装置を使いますか?(必要になった場合)
原因に応じて、拡大床(床矯正)でスペースを作る/インビザライン・ファーストで歯の位置と顎の成長をコントロールする/MFT(筋機能トレーニング)を併用する等の選択肢があります。
費用感は料金プランをご確認ください。
Q10. 受診のタイミングと当院の進め方は?(電話相談→検査→計画→開始)
当院は初診の電話カウンセリング(必須・来院不要)で状況をお伺いし、初回来院の検査で記録・診断を行います。目安の通院頻度や装置の要否は個別にご説明します。はじめての方へ|初診の流れ/ご予約は予約・お問い合わせから。
※田園調布(東急東横線・目黒線)に所在し、自由が丘・雪が谷大塚・武蔵小杉方面からも通院しやすい立地です。アクセスはアクセス総合をご覧ください。
Q11. 生えてきた永久歯が黄色っぽい/先端がギザギザです。大丈夫?
萌出直後の永久歯はエナメル質が未成熟で、やや黄色みを帯びたり切縁がギザギザに見えることがあります。多くは経過で落ち着きますが、気になる場合はご相談ください。
Q12. 痛みやトラブルが心配です。よくある不具合と対処は?
生え変わり期は清掃不良や咬み合わせの変化により、歯肉の腫れ・装置の違和感などが出ることがあります。ご家庭での対処と受診目安は小児矯正のトラブル対処ガイド・痛みの出やすい3パターンをご参照ください。
迷ったら:「8歳を過ぎても変化がない」「左右差が大きい」「歯ぐきが腫れる/膨らむ/痛い」などは、早めにご相談ください。年齢別のポイントは6〜12歳の矯正情報にもまとめています。
子供の歯の生え変わり・歯並びについてのご相談は「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」」へ
子供の歯の矯正は歯の生え変わり時期にあたる6歳頃から9歳頃までに矯正治療を行うのが効果的と言われています。
永久歯が生え始める時期は顎の成長も活発になり、早期に矯正治療を始めることで、歯並びを根本的な原因を見極めて改善し、顎の成長を促すことが可能です。
「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」は子供の矯正治療を専門に診療する矯正歯科医が在籍しており、歯並びの状態を精密に検査し、適切な治療計画をご提案させていただきます。
お子さまの歯の生え変わりや歯並びに不安や悩みがある方は、お子様と一緒に大田区田園調布にある「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」の無料カウンセリングをご利用くださいませ。
まとめ
子供の歯の成長・タイミングは個人差があります。歯の生え変わりや歯並びについてお悩みの方はお早めに歯科医院に相談されることをおすすめします。
「ABC Dental 子ども専門 小児歯科 矯正歯科」は、自由が丘、武蔵小杉、東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。
楽しく学ぶ4コマ漫画
本ページの内容は、歯科医師が監修したイラストを用いてわかりやすく解説しています。
