「親がもし誤った飲み込み方をしていると、子供がそれを真似してしまい、結果的に顎の成長・発育や将来の歯並びに影響するため、注意しなければなりません。」
みなさん、こんにちは!
東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「ABC Dental」の院長です。
よく「学ぶは真似ぶ」というように、子供は親がやっている何気ない習慣を観察しています。
子供はまず、親のやっていることを真似をして、新しく物事を学んでいくのです。
食事の時には、親が食べ物や飲み物をどうやって飲み込んでいるのか、子供はしっかりと見ています。子供にとっては食べ物や飲み物を飲み込むことも新しい経験だからです。
親がもし誤った飲み込み方をしていると、子供がそれを真似してしまい、結果的に顎の成長・発育や将来の歯並びに影響するため、注意しなければなりません。
今回は、正しい飲み込み方について小児歯科医が解説していきます。ぜひこの機会に、親子で正しい嚥下の方法、飲み込み方を学んでいきましょう。
▽先読み!この記事で分かること
- 子供は親の行動を真似て学ぶ
- 正しい飲み込み方は4つのポイント
- 口腔機能発達不全症の可能性
- 口腔機能を鍛える重要性
Table of Contents
ご質問:子供に親の飲み込み方は遺伝しますか?
ご質問をいただきました。
ご質問者様:3歳の娘さんのお母様
子供の飲み込み方について質問です。
私はうどんやそばなど、麺類をすすって食べることができず、口の中で舌でくるくるさせて巻き付けて食べる癖があります。娘にはその食べ方を教えていないのですが、同じような食べ方をするので気になっています。
麺類をすすれない人は口呼吸になっていて、空気を鼻からではなく、口から麺と空気を同時に吸ってしまい苦しくなるのが原因だと聞いたことがあります。
娘にはこの食べ方や飲み込み方が遺伝してしまったのでしょうか?改善するにはどんな方法があるでしょうか。
回答:子供は親の行動を真似て学びます
質問に回答します。
お子様がお母様の食べ方・飲み方が似ているというお悩みですね。
子供は日常の中で親の食べ方、飲み方を観察して、同じやり方を真似してトライします。子供は遊んでいるときに大人の顔を真似してみたり、変顔をして笑って楽しむのも同じです。
食事の時には、子供は親の食べ方・飲み込み方をよく観察していて、同じように真似しようとします。まさに、親の行動は子供にとってお手本となるといえるでしょう。
子供が舌を巻きつけて食べる癖がある場合、遺伝的な要因よりも、お母様の食べ方・飲み方をみて真似をして同じようになったと考えられます。
子供が誤った食べ方や飲み方を続けていると、適切な顎の成長・発達を妨げてしまい、結果的に顔貌の形成、歯並びにも大きく影響するため、早めに改善すること大切です。
口腔内機能に問題があり、上手く飲み込めない場合は「口腔機能発達不全症」と呼ばれる症状の可能性もありますので、歯科医院の診察を受けて、早期発見、早期治療をおすすめします。
子供の正しい食べ方・飲み方を覚えるトレーニング方法についてご紹介してきます。
子供のうちに正しい飲み込み方を習得すべき理由とは?
現代の子供たちは、柔らかいものが中心の食事が多いために咀嚼回数が減り、口の機能が正常に発達しない傾向にあり、正しい飲み込み方を覚えられないケースが増えています。
子供が親の誤った食べ方・飲み方の真似をして、それが習慣になった場合は、大人になってから治すことは容易ではなく、将来の歯並びや口腔機能に悪い影響を与えてしまいます。
大人になっても食事中にくちゃくちゃと音がしたり、食べこぼしが多い人がいますが、そういった食べ方は子供の頃に悪習癖として身に付いてしまったことが原因です。
幼児期の乳歯列期は口腔機能が形成される大切な時期になりますので、子供のうちに正しい食べ方・咀嚼・飲み込み方・嚥下の方法を身に付けておくことが大事です。
正しい飲み込み方4つのポイント
では早速、正しい飲み込み方をみていきましょう。
①食べ物をしっかりと咀嚼する
よく噛んでから飲み込むことで消化しやすくなり、胃や腸への負担を軽減することができます。
子供のうちによく噛む習慣を付けることで、歯と歯周組織、お口周りの筋肉に刺激が伝わり、正しい噛み合わせと骨格の形成・成長へと繋がります。
②舌が正しい位置にある
食べ物を飲み込むときには、舌先が上の前歯の裏側あたり(スポット)に触れている状態にあり、舌全体が上顎の吸い付いている必要があります。
しかし、飲み込むときに舌が前方に出てしまう場合、乳児期における「乳児型嚥下」と呼ばれるおっぱいの飲み方の癖が抜けていないと考えられます。
人間は成長する過程において、乳児期の「乳児型嚥下」から3歳頃に「成人型嚥下」へと移り、正常な舌の位置を覚えて、正しく飲み込めるようになります。
現代の子供は、食生活の変化によって「乳児型嚥下」の習慣が抜けずに、舌を前に突き出して飲み込むケースが増えているので注意が必要です。
③唇は軽く閉じた状態
飲み込むときには唇が自然に閉じた状態が正常ですが、先ほど説明した「乳児型嚥下」の習慣が残っている子供の場合、お口が開いたまま飲み込もうとするのでこぼしてしまいます。
唇は力が入っていない状態、リラックスしていれば問題ありませんが、口周りの筋肉が収縮していたり、下唇と顎先の間にしわが寄っている場合には上手く飲み込むことが難しいです。
④飲み込むときは奥歯を噛んでいる
飲み込むときには奥歯でやや強めに噛んでから飲み込むことが大事です。
上手く奥歯の噛み締めができていない場合は、上下の歯の隙間に舌が入り込んでいる可能性があります。舌で前歯を押し出す癖は出っ歯や受け口の原因になるので注意が必要です。
上手く飲み込めない!子供の口腔機能発達不全症とは?
子供が食べ物を噛みにくそうにしている、上手く咀嚼ができていない、飲み込みがスムーズにいかない場合は、「口腔機能発達不全症」と呼ばれる症状の可能性があります。食事をするうえで基本となる咀嚼、嚥下、話すといった口腔機能に問題がある病気です。
近年、食生活の変化や咀嚼回数が減っていることもあり、子供が口腔機能発達不全症になるケースが増えています。
▽ 口腔機能発達不全症の特徴
- 食べるのが遅い
- 上手く飲み込めない
- 上下の歯が上手く噛み合っていない
- むせることが多い
- 口呼吸になっている
- いびきが大きい
上記の症状がある場合は、口腔機能発達不全症の可能性があり、子供の発育に大きく影響しますので、お早めに小児歯科を受診しましょう。
また、舌で前歯を押しながら飲み込んだり、舌の後方を押し広げて飲み込み、歯並びが乱れる原因となりますので、早期発見と早期治療が重要となります。
子供の口腔機能を鍛えるマイオブレース治療のご紹介
普段の食事で「よく噛んで飲み込みましょうね」といっても、子供の舌の癖や口呼吸の習慣がある場合、口周りの筋肉を鍛えることは思ったよりも難しいでしょう。
子供の歯並びは日常の呼吸法、姿勢、飲み方などによって噛み合わせが決定され、口腔機能が形成される「乳歯列期」が最も大事だと言われています。
当院では、子供専用の「マイオブレース」と呼ばれるマウスピース装置を使い、噛み合わせと歯並びに悪影響を及ぼす口腔習癖を改善して、口腔機能発達を促す矯正治療を行っております。
「マイオブレース治療」はマウスピースを起きている時間1~2時間装着し、お口のトレーニングを同時に進めて口腔機能を鍛えていき、正しい噛み合わせと歯並びに改善します。
▽マイオブレース治療で期待できる効果
- 誤った口腔習癖を改善する
- 顎の発達を促す
- 正しい舌の位置を覚える
- 噛み合わせ・歯並びを改善する
- 顔の骨格の最適な発達を促す
- 健康な食習慣を身に付ける
- 口呼吸から鼻呼吸に改善する
※幼少期3歳から治療が開始できます。
このように、咬み合わせや歯並びが悪くなる根本的な原因を「乳歯列期」の段階で取り除いてあげることで、自然できれいな歯並び、健康的な身体を獲得することにも繋がります。
「マイオブレース治療」は根本的な原因にアプローチするため、矯正後に後戻りしにくく、筋肉の発達を適切にコントロールするため、お顔立ちまで整える効果も期待できます。
子供の歯並びのご相談は「ABC Dental」へお気軽にどうぞ
近年、子供の口腔機能の異常がある場合、顎のズレや歯列の不正など、様々な影響を及ぼすことが分かっています。
乳歯が永久歯へ生え変わる混合歯列期には顎の発達が不十分なため、歯列が乱れるケースが多いです。気になる方は早めに歯科医院に相談し、口腔内の状態を確認されるとよいでしょう。
お子様の歯並びが気になる方は、ぜひお子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「ABC Dental」の無料カウンセリングをご利用くださいませ。
まとめ
適切な飲み方や食べ方を実践して口腔機能を鍛えることは、歯や顎の発育を促したり、消化器への負担を減らしたり、多くのメリットがあります。
親子で正しい嚥下の方法、飲み込み方を学ぶ機会を持っていただけたら幸いです。
東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。