子どもの生えてきた永久歯が乳歯より黄色っぽく見える3つの理由とは?

「子どもの歯の生え変わり時期に「永久歯が黄色っぽく見える」3つの理由について小児歯科の歯科医師が分かりやすく解説!」

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「abc dental」の院長です。

いつもブログとInstagram(@abcdental11)を見ていただいてありがとうございます。

子どもの歯(乳歯)がグラグラし始めたら、大人の歯(永久歯)に生え変わる時期です。

「ようやく歯が生えてきた!」と思ったら、「歯が黄色っぽくみえるけど、これって虫歯や何かの症状ではないか…」と不安になっていませんか?

実際に、「子どもの永久歯が黄ばんでいるように見えます」「生えたばかりの歯が黄色いのはなぜ?」と心配になって、ご相談のために来院されるケースが多いです。

そこで今回は、子どもの歯の生え変わり時期に「永久歯が黄色っぽく見える」3つの理由について小児歯科の歯科医師が分かりやすく解説いたします。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

▽先読み!この記事で分かること

・子どもの永久歯が黄ばんで見える理由

・そもそも永久歯は乳歯よりも黄色く見える

・治療が必要なケース

・永久歯の黄ばみ対策3つ

ご質問:生えてきた永久歯が黄ばんでいます…虫歯ですか?

Installation of a colored red filling in a milk tooth for a child. Colored fillings in dentistry for children. Treatment of pulpitis and deep caries



ご質問をいただきました。

ご質問者様:7歳児の親御様

子どもの永久歯について質問です。

乳歯が抜けて永久歯が生えてきましたが、歯の色が乳歯と比べると黄色っぽく(茶色?)に見えるのですが、これは何かの症状でしょうか?

生えてきたばかりの歯なのに黄色く見えるので、虫歯かもしれないと気になっています。早めに何か対策したいです。アドバイスをお願いします。

回答:通常、永久歯は乳歯よりも黄色っぽく見えます

ご質問ありがとうございます。

結論からサクッとお伝えします。

通常、生えてきたばかりの永久歯であっても、乳歯と比べると、黄色(茶色)っぽい感じに見えます。これは正常な状態です。過度な心配は必要はありません。

永久歯が乳歯よりも黄みが強く感じるのは、歯の構造上の違い、また乳歯の色と比べることで見える錯覚が原因です。後ほど、歯が黄色く見える3つの理由を解説します。

ただし、一部のケースでは歯科医院での治療が必要な場合がありますので、この機会に確認しておきましょう。

生えたばかりの永久歯が黄色っぽく見える3つの理由

ここからは、生えたばかりの永久歯が黄色っぽく見える3つの理由を見ていきましょう。

①歯の内側にある象牙質の色

永久歯と乳歯はサイズや色など、見た目に違いがあります。

▽永久歯の特徴

大きいサイズ

黄色っぽい、茶色っぽく見える

透明感はあまりない


▽乳歯の特徴

小さくて可愛らしいサイズ

白っぽい乳白色

透明感がある

乳歯は小さくて乳白色の可愛らしい感じですが、永久歯が生えてきたら黄色っぽくて驚かれる親御様は多くいらっしゃいます。

しかし、永久歯が黄色く見えるのは歯の構造上、誰でも黄色く見えるのであって、正常な状態ですから問題ありません。

人間の歯の構造は、表面の「エナメル質」、内部の「象牙質」、象牙質の内側にある「歯髄」と3層構造になっています。

一番表面に見えている「エナメル質」は無色で半透明の硬い組織ですが、その内側には黄色みを帯びた「象牙質」という組織があります。

生えてきたばかりの子どもの永久歯はまだエナメル質が薄いため、歯の内側にある黄色っぽい象牙質が透けて見えるのです。

歯が成長するにつれて、エナメル質は厚く、丈夫になってき、内部の象牙質は少しずつ黄色みの濃さが増してきます。

つまり、子どもの永久歯が黄色に見えるのは、半透明の「エナメル質」ではなく、黄色味が強い「象牙質」の色が反映して見えるから、というのが一つの理由です。

②乳歯と比べると黄色く見える(目の錯覚)

生えてきたばかりの永久歯が黄色く見えるのは、今まで乳歯の青みがかった色に見慣れているから、というのも一つの理由です。つまり、「目の錯覚」といえますね。

歯の生え変わり時期は、永久歯と乳歯が並んでいますので、見た目の色の違いが目立って、その差に違和感があったり、「きれいに見えない…」と感じてしまうのです。

子どもの永久歯がより黄色(茶色)っぽく見えてしまうのは、目の錯覚的には仕方ないかもしれません。永久歯が増えてくれば、歯の色味は気にならなくなるでしょう。

また、歯の色合いというのは、生まれつきの色、個人差によるところも大きいです。

歯を修復する際に参考にする「歯科用プラスチックの色見本(シェード表/ VITA シェードガイド)」を見ると、色合いは少なくても15段階ありますので、みな同じではありません。

人によって、「エナメル質」「象牙質」「歯髄」の厚さの配分が異なり、色々な要素が異なりますので、歯の色味、透明度は微妙に変わってくるのです。

③エナメル質形成不全という症状

子どもの永久歯が乳歯より黄色っぽく見えるのは正常な状態だと説明しましたが、「エナメル質形成不全」という症状が見られる場合は、歯科医院での治療が必要になります。

「エナメル質形成不全」とは、遺伝的要因もしくは歯の発育段階に受けた外傷などによって、歯の表面にあるエナメル質がほとんど形成されない症状のことです。

エナメル質形成不全になると、歯の色が茶色っぽく変色したように見えるだけでなく、歯の強度が脆くなって虫歯や歯周病になりやすく、進行も速くなるので注意しなければなりません。

軽度の症状であればブラッシングや定期検診で問題ありませんが、重度の場合は、被せ物で補強しなければ、歯がボロボロに崩れてしまう可能性もありますので早めの治療が必要です。

「エナメル質形成不全」かどうか検査をするには、子ども歯を専門とする小児歯科をおすすめしますが、歯の修復治療を受ける場合は、保存修復科や補綴科などで処置が行われます。

歯の黄ばみ対策!永久歯が生えたら気をつけること

一般的に、子どもの歯の生え変わり時期に永久歯が黄色く見えるのは特に問題がないとお分かりいただけたかと思います。

ここからは、お子様の歯をキレイに保つために、今からでできる「歯の黄ばみ対策」をご紹介しましょう。

①食後の歯磨き習慣

食後に歯磨きを習慣にすることは、清潔で白い歯を保つために大切です。

食べた後に毎回歯磨きすることを習慣にすることで、食べ物が歯に着色するのを防いで、歯の黄ばみ対策になります。

小さいお子さまは一人でブラッシングするのが難しい、もしくは苦手なことがありますので、しっかりと磨けるようになるまで、親御さまが仕上げ磨きでサポートしてあげましょう。

子どもの歯の生え変わり時期は、歯の表面のエナメル質がまだ薄くデリケートです。あまり強い力でゴシゴシとブラッシングするとエナメル質が削れてしまうので要注意です。

②歯を強くする食事

日頃から、歯や歯茎を強くする食事やおやつを意識すると、清潔できれいな白い歯を保つことができます。

食事にはカルシウムを豊富に含む牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品や小魚、おやつにはキシリトール配合のグミやキャンディ、リンゴ酸を含むリンゴや梨などの果実がおすすめ。

子どもたちが大好きなチョコレート、ブドウジュース、ケチャップやソース、カレーなどの色が濃い食べ物や飲み物は歯の着色汚れ、着色(ステイン)になります

ステインは食後の歯磨きで落とすことができますが、長い間放置すると唾液によって固まっていき、取り除くことが難しくなりますので、歯科医院でのクリーニングが必要です。

③定期的に歯科検診を受ける

子どもの歯を清潔に、キレイに保つには、自宅でのケアの他、定期的に歯科医院で歯科検診を受けることも大切です。

歯科検診では、歯磨きでは取り除くことができない歯の歯垢や着色汚れなどを、歯科専用の機材や薬剤を使用して取り除き、見た目もキレイにすることができます。

クリーニング後は歯の表面に汚れや細菌が付きにくくなり、虫歯や歯周病を防いで、口の中を衛生的に保つ環境を維持することができます。

まとめ

歯の生え変わり時期の永久歯はエナメル質が未発達のために歯の色が黄色く見えますが、歯の成長とともに色味はだんだん気にならなくなるでしょう。

何か気になる症状がある場合は、お近くの小児歯科を専門としている歯科医院に相談されることをおすすめします。

予防歯科・小児矯正のご相談は大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」までどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

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