ビムラー矯正とマウスピース矯正の違いは?

Cute little girl getting dental braces

「 マウスピース矯正 と ビムラー矯正 はどちらもお口周りの筋肉と顎の成長を正しい方向へ成長するのを促す目的で行われますが、それぞれ異なる治療システムになります。ビムラー矯正の特徴、メリットと注意点、マウスピース矯正との違いについて解説しています」

みなさん、こんにちは!

東京都大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門の歯科医院「abc dental」の院長です。

いつもブログ・Instagram(@abcdental11)・Twitter(@abc_111_)を見ていただいてありがとうございます。

従来の歯列矯正の治療法といえば、金属のワイヤーを使った「ワイヤー矯正(ブラケット矯正)」や「裏側矯正」が一般的でしたが、装置が目立ってしまう欠点がありました。

近年、子どもの歯列矯正の治療法では、自分で取り外し可能な装置を使う「マウスピース矯正」や「ビムラー矯正」という矯正方法が採用されており、治療中に周りの目も気になりません。

「マウスピース矯正」や「ビムラー矯正」はどちらもお口周りの筋肉と顎の成長を正しい方向へ成長するのを促す目的で行われますが、それぞれ異なる治療システムになります。

そこで今回は、ビムラー矯正の特徴、メリットと注意点、マウスピース矯正との違いについて解説していきますので、気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

▽先読み!この記事で分かること

・ビムラー矯正は4歳~12歳の子供が対象

・ビムラー矯正の装着時間は短い

・ビムラー矯正は負担が少ない

・取り扱い歯科医院が少ない

ご質問:ビムラー矯正とマウスピース矯正の違いは?

Close-up young boy applying retainer orthodontic appliance. Health care or dental hygiene concept. Soft focus

ご質問をいただきました。

ご質問者様:8歳の娘さんのお母様

歯医者さんに娘の歯並びの状態を診てもらいました。歯が重なり合ってデコボコしている叢生(乱ぐい歯)と診断されました。咬み合わせも良くないので、矯正治療を検討しています。

マウスピース治療を受けることで症状が改善できると分かったのですが、「ビムラー矯正」という治療法もあると知り、取り外し可能な装置を使うところが似ていると思いました。

そこで、ビムラー矯正とマウスピース矯正の違いを教えていただきたいです。よろしくお願いします。

回答:使用する装置と装着時間が異なります

質問に回答します。

「ビムラー矯正」と「小児用マウスピース矯正」はどちらもお口の中に取り外し可能な可撤式矯正装置を入れて、歯並びや咬み合わせを整えていく治療法です。

歯の表面にワイヤーやブラケットなどの金属製の装置を使わないので、見た目が気にならず、治療中の痛みや違和感を抑えられますので、お子様の負担を軽減できる共通点があります。

「ビムラー矯正」と「小児用マウスピース矯正」の違いは、お口の中に入れる装置がそれぞれ異なります。

▽小児用マウスピース矯正治療に使われる装置は複数の種類があります。

・マイオブレースシステム

・ムーシールド

・プレオルソ

・インビザライン系

・その他マウスピース矯正など

当院が取り扱っているインビザラインの場合、乳歯と永久歯の生え変わり時期(混合歯列期)の小学校高学年から中学生(6歳〜12歳)が対象です。

一方で、「ビムラー矯正」は4歳~12歳の子供が対象となっており、顎と口周りの筋肉の成長を正しい方向へ促すことで、永久歯が生えてくるスペースを確保することが目的です。

「ビムラー矯正」は寝る前と昼間(2〜3時間程度)に装置を付ける必要があります。装着時間は比較的短く、日中は外しておけるため、患者様の負担は軽減されます。

マウスピース治療では、毎日お口のトレーニングをしてお口の筋肉を鍛えていきますが、ビムラー矯正では装置を付けているだけで、噛む力を鍛える効果が期待できます

「ビムラー矯正」は抜歯する必要はありませんが、重度の不正咬合が見られる場合は抜歯が必要になるケースがありますので、担当の歯科医に相談して検討されることをおすすめします。

小児矯正のビムラー矯正とは?

Control of teeth braces setting in patient mouth. Children teeth correction.

※画像は参照です

「ビムラー矯正」とは、1946年にドイツのハンス・ピーター・ビムラー博士が考案し、ヨーロッパで多く採用されている治療法です。

将来、きれいな歯並びになるには、子供の頃に上下の顎が正しく発育し、正常な咬み合わせである必要があり、舌の癖、唇や顎の動き方など、様々な機能のバランスによって決まります。

「ビムラー矯正」では、取り外し可能な上下一体型の装置を夜寝る時と昼間(2〜3時間)装着すると、上下の顎の発育バランスを促し、自然と歯並びと咬み合わせが改善されます。

「ビムラー矯正」は幼稚園児から治療を受けることができます。成長段階にある子供は顎の骨や歯をコントロールしやすく、大人の矯正よりも早く治療が終わるのもメリットです。

装置を入れるとお口の中が広く感じますので、舌や唇など、口周りの筋肉が活発に動き、力が強くなって自然と鍛えられるので、正しい位置に永久歯が生えてくるようになるのです。

ビムラー矯正とマウスピース矯正の違い

「マウスピース矯正」はメーカーによって様々なマウスピース装置の種類があり、それぞれ適した症例が異なります。

当院で採用している「マウスピース矯正」は子供の不正咬合の幅広い症例に対応しており、乳歯と永久歯の生え変わり時期(混合歯列期)の子どもが対象です。

マウスピースを1日20時間装着し、1週間ごとにマウスピースを交換して、少しずつ顎の大きさを拡げていき、上下の顎のバランスを整えながら、歯並びを整えていきます。

一方で、「ビムラー矯正」は4歳~12歳の子供が対象となっており、顎の発育のアプローチとお口周りの機能を向上させることが目的です。

上下一体型の装置を夜寝る前と昼間2〜3時間に装着し、装着時間が短いのが特徴となっており、幼稚園児の小さなお子様も負担を抑えて治療を受けることができます。

ビムラー矯正のメリット

Dental plate. Expansion of the jaw in a child. A plate to heaven. There is not enough room for the molars. Happy girl holding an orthodontic plate in her hands

「ビムラー矯正」のメリットは以下の通りです。

・小さなお子様も痛みや違和感が少ない

・見た目が気にならない

・外出中や学校にいる時は装着しなくていい

・非抜歯矯正が可能(例外あり)

・上下の顎バランスが整えられる

・舌の癖や指しゃぶりの癖が改善される

・お口のトレーニングが不要

・後戻りが少ない

直接歯を動かして歯並びを治すワイヤー矯正とは異なり、「ビムラー矯正」では歯に強制的な力を加えて歯を動かすことはありませんので、痛みや違和感はほとんどありません。

顎を広げる治療法といえば「床矯正装置」がありますが、ネジの力によって歯と顎に痛みが出やすいためお子様への負担が大きいですが、ビムラー装置は痛みがなく負担は少ないです。

矯正装置をお口に入れているだけで上下の顎バランスを整えて、舌や頬の筋肉が鍛えられますので、お口のトレーニングをする必要はなく、自然な歯並びに改善されます。

子供の頃の成長を利用して、お口周りの筋肉や顎バランスを改善するため、歯並びが悪くなる根本的な原因を取り除き、治療が終わった後も後戻りしにくいメリットもあります。

ビムラー矯正の注意点

「ビムラー矯正」はマウスピース治療と同様に、装置を付ける時間をしっかり守らなければ期待していた効果は出ません。ご本人の継続力と保護者様の協力が必要です。

決められた装着時間は短いですが、特に小さなお子様の場合は寝る前に付け忘れてしまわないように、保護者様も慣れるまではしっかりチェックするように心がけましょう。

「ビムラー矯正」は国際機能矯正臨床研究会(IFOCS)より厳格な審査を受けて、公式認可を受けている歯科医院でのみ治療を受けることができます。

日本ではまだ「ビムラー矯正」を取り入れている歯科医院は少ないため、それに近い形のマウスピース矯正で歯科医院を探されることも一つの手ではあります。気になる方は歯科医医院に相談されることをおすすめします。

知っておきたい!子供の矯正と大人の矯正の違い

Stylish father and little son on color background

歯列矯正の治療を受ける時期は、「大人になって永久歯が生え揃ってからでいいのでは?」「乳歯があるからまだ早いのでは?」とお考えの親御様もいらっしゃるかと思います。

大人になると、体の成長と共に顎の成長が止まり、永久歯が生えてくる頃には顎の骨が固まって歯並びが完成されます。

永久歯が生え揃ってから歯列矯正を受けることは可能ですが、顎骨が固まった大人の歯を動かすにはワイヤー矯正によって歯にある程度、力を加える必要があるのです。

永久歯が生え揃ったお子様の場合、大人と同じ矯正治療となります。大人の矯正は痛みや違和感が出やすく、また全体の60%は抜歯が必要になり、患者様にとって負担は大きくなります。

一方で小児矯正の場合は、体の成長を利用して顎の大きさを拡げて、上下の顎バランスを整えながら、永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保する土台作りが目的になります。

子供の顎骨は柔らかいので歯が動きやすく、治療中は痛みや違和感が少なく、適応力も素晴らしいので矯正装置にすぐ慣れることができます。

子供のうちに矯正をしておくことで、永久歯は正しい場所に生えてくるようになり、大人になって矯正が必要になっても治療期間が短くなるのがメリットです。

子供の歯並び相談は「abc dental」へお気軽にどうぞ

当院の小児矯正治療は、お子様一人ひとりに適した矯正治療法を提案させていただき、顎の周りの筋肉のトレーニングと歯並びを悪くする悪習慣を取り除く訓練を同時に行います。

小学校高学年から中学生(6歳〜12歳)にかけて永久歯に生え変わりますので、まだ顎骨が柔らかい混合歯列期に小児矯正を始めると根本的な歯並び改善が期待できるでしょう。

お子様の歯並びが気になる方は、ぜひお子様と一緒に大田区田園調布にある小児歯科・矯正歯科専門「abc dental」の無料カウンセリングをご利用くださいませ。

※当院はビムラー装置を取り扱っておりませんが、マウスピース矯正を行っております。

(2023年6月現在)

まとめ

今回は小児矯正における「ビムラー矯正」と「マウスピース矯正」の違いと特徴をご紹介しました。お子様の歯並びが気になったら歯科医院へ相談してみましょう。

東雪谷、南雪谷、雪谷大塚町、上池台、久が原、南馬込、北馬込、西馬込、東馬込、仲池上、北嶺町、東嶺町、西嶺町、池上、下丸子などのエリアからも通いやすい小児歯科医院です。